パリのPitie Salpetriere大学病院のBruno Fautrel氏

 米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULAR)が共同で策定した2010年版の慢性関節リウマチ(RA)分類基準(ACR/EULAR RA分類新基準)は、ACRによる1987年の旧分類基準に比べて、早期RAを高精度に診断できるとされる。だが2つの分類基準はどの程度一致しているのか――。早期関節炎患者を対象にした研究で、新基準は旧基準に比べてより多くの早期RA患者を特定でき、分類基準としての一致度も高いことが確認された。パリのPitie Salpetriere大学病院のBruno Fautrel氏らが、 11月7日から11日に米国アトランタで開催された第74回米国リウマチ学会(ACR 2010)で報告した。

 解析対象は、2002年〜2005年に登録された早期関節炎(EA)患者811人。女性が76.8%を占め、年齢の平均と標準偏差は48.1歳、腫脹関節数は7.2、疼痛関節数は8.4、ESRは29.4 mm/h、DAS28は5.2だった。IgM RF陽性は45.8%に認められ、抗CCP抗体陽性は38.8%、X線所見は22%に見られた。最初の2年間は6カ月おきに経過観察した。

 登録時において、1987年ACR分類基準を満たしていたのは579人(71.4%)、2010年ACR/EULAR分類基準を満たしていたのは641人(79.0%)と、2010年ACR/EULAR分類基準の方が多く、さらに115人は2010年分類基準のみを満たし、1987年分類基準のみを満たしたのは53人だった。168人はいずれの分類基準も満たしていなかった。

 2つの分類基準の一致度をκ係数を用いて評価した結果、κ係数は0.45(95%信頼区間0.38-0.52)と、中等度の一致が認められた。なおκ係数は1に近いほど2群は一致していることを表す。2年経過した後でも、2010年分類基準と1987年分類基準によるカッパ係数は0.42(95%信頼区間0.33-0.51)とほぼ一致していることが確認された。

 ただし、2つの分類基準の相違点をステップワイズロジスティック回帰分析で検討したところ、腫脹関節が小関節に4〜10カ所、滑膜炎が3カ所未満、対称性関節炎、VAS (visual analog scale) によるRA診断に関し、2010年分類基準と1987年分類基準で評価が異なることが示された。

 これらの結果から、「2010年分類基準は、早期RA診断として、1987年分類基準よりも多くの患者を特定できるが、対称性の血清反応陰性関節炎患者をRAと特定することができなかった」とFautrel氏は述べている。

(日経メディカル別冊)