米テキサス大学Southwestern Medical Center のRoy Fleischmann 氏

 米テキサス大学Southwestern Medical Center のRoy Fleischmann 氏らは、本年6月の欧州リウマチ学会(EULAR)において、皮下注製剤のTNF阻害薬(アダリムマブ、エタネルセプト)が無効あるいは効果不十分な関節リウマチ(RA)患者の約半数が、静注製剤のインフリキシマブに良好に反応することを示唆するRESTART試験の追跡10週後の成績を報告し、投与経路の異なるTNF阻害薬間の切り替えという治療選択肢の可能性を提示した。試験の追跡データをまとめた同氏らは、インフリキシマブの効果が10週以降も安定して認められ、26週後においても維持されていたことを、11月7日から11日まで米国アトランタで開催されている第74回米国リウマチ学会(ACR 2010)で報告した。

 RESTART試験は、メトトレキサートの併用下でエタネルセプト(ETN)またはアダリムマブ(ADA)による3カ月以上の治療にもかかわらず、効果不十分(DAS28≧3.6、かつ、腫脹関節数≧6、かつ、圧痛関節数≧6)のために、インフリキシマブ(IFX)への切り替えがなされたRA患者を追跡した第IV相試験だ。本試験は日常診療における試験のため、前治療薬の中止後はwash-out期間を経ず、即座にIFX治療が開始された。

 同試験には203人が登録、うち197人のデータが解析可能だった。平均年齢は54歳、平均罹病期間は6.8年、切り替え前のTNF阻害薬の内訳は、ETNが121人(61.4%)、ADAが77人(39.1%)だった(両剤の使用歴があった1人を含む)。

 これらの患者において、IFXへの切り替えの結果、ベースライン時に6.18だったDAS28-ESRは、26週後には平均1.5ポイント改善し(p<0.001 対ベースライン時)、全体の51.8%(前治療薬がETNでは48.3%、ADAでは57.1%)の患者でEULAR基準のModerate/Good responseが得られた。また、ACR20、50、70改善達成率は、それぞれ41.4%、20.4%、8.0%となった。

 腫脹関節数はベースライン時の17.4から9.1へ、圧痛関節数は30.2から17.0へと減少し、ベースライン時に1.35ポイント(平均値)だったHAQは0.22ポイント改善した(すべてp<0.001 対ベースライン時)。

 これに伴い、CDAI (clinical disease activity index)とSDAI(simplified disease activity index)で評価した高疾患活動性(CDAI>22またはSDAI>26)の患者の割合は、約9割(CDAI:94.9%、SDAI:87.8%)から3割程度(CDAI:30.5%、SDAI:26.6%)にまで減少した。また、安全性のプロファイルは従来より報告されたものと同様で、忍容性は良好だった。

 以上の結果より、ETNおよびADAが無効あるいは効果不十分な患者に対するIFXへの切り替えにより、日常臨床の場において約半数の患者で有効性を示し、身体機能の改善効果は少なくとも半年にわたって持続することが明らかになった。

(日経メディカル別冊編集)