妊婦が関節リウマチ(RA)を罹患している場合、出生時低体重のリスクが高いとされ、疾患活動性が高いほど体重減少が大きくなることが知られている。このほど、RAに関連したサイトカインと出生児体重との関連を調べた新たな研究で、妊娠初期には、IL-6が体重減少を増悪し、IL-10は体重減少を防ぐ関与をする可能性が、また妊娠後期のRA低疾患活動性時には、TNF-αと出生時体重に正の関連性がみられることが示された。オランダ・エラスムス大学ロッテルダム医療センターのFlorentien D.O. de Steenwinkel氏らが、11月7日から11日まで米国アトランタで開催されている米国リウマチ学会(ACR2010)で報告した。

 de Steenwinkel氏らは、妊娠とRAの関連を調べているエラスムス大学のPARA(Pregnancy-induced Amerioration of Rheumatoid Arthritis)研究の一環として、本研究を実施した。対象は、妊娠第1期(1〜12週)の134人と妊娠第3期(27週)の168人とし、出生時体重とDAS28-CRP値と、IL-10、IL-6、TNF-αの血中濃度を測定した。出生時体重とその変化は性、週齢に基づく標準値からの標準偏差で正規化した標準偏差スコア(bwsds)を用いた。

 妊娠第1期の妊婦で、IL-10が検出可能(高値)だったのは12人だった。このIL-10高値群は低値群に比べ、DAS28値が高かった(平均4.4 対 3.6)ため、低値群の中から疾患活動性とステロイド使用などが高値群と一致する24人を選び、比較した。

 その結果、IL-10高値群はbwsds値が0.92で、低値群の0.15に比べ、有意に大きかった(p=0.02)。こうした関連性は妊娠第3期群ではみられなかった。

 妊娠第1期に、IL-6とDAS28値を中央値で2分し、それぞれの高値・低値の4つの組み合わせで比較したところ、DAS28が中央値(=3.8)よりも高い時、IL-6高値群はIL-6低値群に比べ、有意にbwsds値が低かった(0.357 対 -0.194、p<0.05)。こうした関係は妊娠第3期群では認められなかった。

 同様にTNF-αとDAS28を中央値で2分して4つの組み合わせをみると、妊娠第3期には、DAS28低値で疾患活動性が低い時、TNF-α高値群の方がTNF-α低値群よりも、bwsds値が有意に高かった(0.515 対 0.053、p<0.05)。このような関連性は、DAS28高値、あるいは妊娠第1期にはみられなかった。

 de Steenwinkel氏らはこれらの結果から、(1)IL-6は、妊娠第1期に出生時体重に与えるRA高疾患活動性の悪影響を増大する、(2)IL-10は、妊娠第1期にRA高疾患活動性が出生時体重に与える悪影響を抑制する、(3)TNF-αは妊娠第3期、かつRAが低疾患活動性の時に、出生時体重に良好な影響を与える、といった関連性が本研究から示唆されたとした。

(日経メディカル別冊)