カナダ関節炎研究センターのMary A. De Vera氏

 健常人でスタチン投与を中止した場合、死亡リスクが増加することが分かっているが、関節リウマチ(RA)患者でも、スタチン投与の中止により、心血管死と全死亡のリスクが増加することが新たに示された。カナダ関節炎研究センターのMary A. De Vera氏らが、米国アトランタで11月11日まで開催されている米国リウマチ学会(ACR2010)で発表した。

 De Vera氏らは、1996年1月から2006年3月の間にカナダ・ブリティッシュ・コロンビア州でRAの治療を受けた患者の診療管理データを基に、1996年5月から2006年3月の間にスタチン投与を受けた4102人(平均66.6歳、60%が女性)を対象として、1万6144人・年のフォローアップを行った。期間中、3カ月間以上スタチン投与が中止されていた場合、スタチン中断者とした。

 対象者が投与を受けていた主なRA治療薬は、従来タイプの非ステロイド性抗炎症薬(57.6%)、ステロイド(42.0%)、COX-2阻害薬(32.8%)、MTX(23.4%)などだった。

 患者が投与されていたスタチンは、アトロバスタチンが47.9%と最も多く、次いでシンバスタチン(21.9%)、プラバスタチン(12.2%)の順だった。期間中、1862人(45.4%)が、少なくとも1回、定義したスタチン中断を経験した。

 平均4年超のフォローアップ期間中、467人が死亡した。うち心血管死は198人だった。スタチン中断の調整済みハザード比は1.60(95%CI 1.15-2.23)、全死亡の調整済みハザード比も1.79(95%CI 1.46-2.20)で、スタチン中断によって、いずれも有意に死亡リスクが増加していた。

 これらの結果についてDe Vera氏は、「後ろ向き研究ではあるものの、RA患者でもスタチン中断による循環器死亡と全死亡のリスクが有意に増加していることが示された。RA患者でも、スタチンに関する服薬コンプライアンスはリスク管理上重要」とした。

(日経メディカル別冊)