インフリキシマブ(IFX)二次無効に陥る原因のひとつは、同剤への抗体(ATI)が形成されることにあると考えられている。しかし、スイス・ジュネーブ大学病院のAxel Finckh氏らは、同国の関節リウマチ(RA)患者レジストリー・SCQM−RA内の患者のATI量とIFX応答性の関係を調べた結果、ATIの上昇は二次無効の有効な予測因子とはならないことを指摘。結果はサンフランシスコで開催された米国リウマチ学会(ACR2008)に報告した。

 IFXは、速やかに高い有効性を示すが、当初の効果が次第に減弱する二次無効も、少ないながら認められる。これを早期に発見、あるいは事前に予測することは、その後の治療戦略を考える上でのアドバンテージになるものと思われる。そこでFinckh氏らは、SCQM−RAの登録者のうち、ジュネーブ大学病院など4施設において1年以上IFX治療を継続している患者に協力を要請。承諾を得た64例の患者より、次回のIFX投与直前の血清サンプルの提供を受けた。

 同氏らは、これらのサンプル中のATI量ならびにIFX量を測定するとともに、(1)継続的なIFX治療にもかかわらず疾患活動性が次第に上昇している、(2)IFX投与量および/または併用する抗リウマチ薬(DMARD)の投与量または薬剤数が増加している、のいずれかに該当する場合を「二次無効」と定義し、患者を分類した。

 その結果、二次無効群と応答良好群で、年齢、男女比、罹病期間リウマトイド因子(RF)陽性率、併用薬の使用率、IFX投与期間等の背景因子はいずれも同等であった。

 多変量ロジスティックモデルを用い、IFX量およびATI量と二次無効の関係を検討すると、血中ATIの上昇は二次無効リスクの予測因子とはならなかった一方、血中IFX量の上昇は二次無効リスク低下の有意な予測因子として浮上した(オッズ比:0.68、95%CI:0.46-0.99)。

 以上の結果より、少なくとも日常診療で測定しうるATI値の上昇は、必ずしも二次無効の可能性を反映するものではないことが示唆された。Finckh氏らは、「実際問題として、ATI値を正確に測定するためには、残存するIFXをwash-outする必要があるが、日常臨床の場では不可能だ」と指摘し、「二次無効の予測には、むしろIFX投与直前の血中に残存するIFX量を測定するほうが合理的だと思われる」と結論した。