米セントコア社のBoxiong Tang氏

 抗TNFα薬の登場は、関節リウマチ(RA)治療の到達目標を関節破壊の進行阻止や完全な寛解にまで高めた。しかし、その優れたポテンシャルは患者が治療を継続してこそ発揮される。米セントコア社のBoxiong Tang氏らは、2004年までの集計において、平均継続日数と1年継続率という2つの指標のいずれにおいても最も優れていた抗TNFα薬はインフリキシマブ(IFX)であったことを昨年の本学会で報告したが、サンフランシスコで開催された今期米国リウマチ学会(ACR2008)では、集計期間を2006年まで延長した最新の解析結果を提示。2年間の評価においても継続率はIFXが最も優れていたことを示した。

 本検討は、2000年1月〜2006年1月にPharMetrics社の民間医療保険データベースに抗TNFα薬投与の記録があるRA患者のうち、メトトレキサート(MTX)を併用し、抗TNFα薬投与の6カ月月前から投与24カ月後までの最低30カ月の診療記録に不備のない18歳以上の患者を対象とした解析である。ただし、過去1年以内に他の抗TNFα薬の使用が確認された患者は除外され、最終的には1856例が解析対象とされた。評価指標は、患者の平均継続使用日数と2年間(730日)の継続使用日数率(%)とした。

 抗TNFα薬の内訳は、IFXが525例(28.3%;IFX群)、エタネルセプト(ETN)が928例(50.0%;ETN群)、アダリムマブ(ADA)が403例(21.7%;ADA群)であった。IFX群患者の平均年齢(51.5歳)は、他の2群(ETN群49.0歳、ADA群50.3歳)に比してわずかに高齢であった(p<0.0001)が、女性の比率(3群とも75%前後)や併存疾患、疾患ステージなどに有意な差はみられなかった。

 各群の平均継続日数は、IFX群が584日と最も長く、ETN群の541日、ADA群の510日を有意に上回った(p<0.005)。また、2年間の継続使用日数率についてもIFX群が80.0%と最も高く、ETN群の74.1%、ADA群の69.9%を有意に上回った(p<0.005)。この傾向は、年齢や性差、併存疾患、疾患ステージ等の交絡因子について調整した後にも変わりなかった。実際に、2年後の薬剤継続率もIFX群が最も高く、ETN群、ADA群を上回った。

 以上より、IFXとETN、ADAという3種の抗TNFα薬のうち、米国において最も脱落や変更に至ることが少なく、継続的に使用されている薬剤はIFXであることが明らかとなった。Tang氏らは、「この継続性がもたらす臨床効果、経済効果、そして人類の幸福にもたらす影響を検討することが今後の課題だ」と述べ、研究の継続への意欲をみせていた。