メキシコ市民病院のRuben Burgos-Vargas氏

 成人の脊椎関節炎(SpA)に対する抗TNFα療法の有用性は無作為化比較試験(RCT)によって証明されているが、若年発症のSpAについてはケーススタディから有用性が類推されるのみである。メキシコ市民病院のRuben Burgos-Vargas氏らは、12週間のRCTによって若年発症SpAに対するインフリキシマブ(IFX)の有効性と安全性を確認。さらに、期間を52週に延長したオープンラベル試験により、その有用性は1年後も変わらないことを確かめた。結果はサンフランシスコで開催されてきた米国リウマチ学会(ACR2008)で報告された。

 本試験の組み入れ基準は、発症時16歳未満、試験登録時18歳未満の活動性SpA患者のうち、少なくとも直近の4週間はNSAIDスルファサラジンまたはメトトレキサートによる治療に応答しない患者である。RCTには、この条件に該当する26例(うち男性25例)が登録。Burgos-Vargas氏らは、IFX群(n=12)の患者にはIFX 5mg/kgを、プラセボ群(n=14)にはプラセボを0、2、6週のスケジュールで投与のうえ、12週間の追跡を行った。

 26例の患者は、全員 12週間の試験を完遂した。主要評価項目である活動関節数(疼痛や腫脹のある関節数)は、IFX群ではベースライン時の4.6±1.7関節から0.7±2.0関節へと著明に減少し、プラセボ群における減少(6.1±3.7関節→4.1±3.9関節)を有意に上回った(P=0.007)。また、tender enthesesの数、小児向けHAQスコア(C-HAQ)、CRP、患者による健康評価や医師による健康評価、疾患活動性評価などの副次評価項目の改善も、すべてIFX群がプラセボ群を大きく上回った。

 この結果を受け、Burgos-Vargas氏らは、13週目以降はプラセボ群にも6週間隔でIFX5mg/kgの投与を開始し、オープンラベルでの追跡を52週まで継続した。ただし、追跡不能者がIFX群で1例、プロトコール違反がIFX群で2例、プラセボ群で3例みられたため、最終解析対象はIFX群9例、プラセボ群11例の計20例となった。

 その結果、IFX群における52週目の活動関節数は0関節となり、完全に活動が抑制されていた。また、プラセボ群でもIFX投与が開始された12週目以降は順調に活動関節数が減少し、52週目には0.1±0.3関節となった。同様に、副次評価項目についても、IFX群、プラセボ群とも著明な改善が認められた。

 一方で安全性に関しては、両群とも全期間を通じて、IFX投与に関連する重篤な副作用の発現は1例もみられなかった。

 以上のように、若年発症のSpAに対し、IFXは高い有効性と安全性を発揮し、その効果は少なくとも1年にわたって持続することが確認された。Burgos-Vargas氏らは、「既存の治療でコントロール不良な若年のSpA患者にとって、IFXによる治療は有力な選択肢になるだろう」と述べた。