オランダ・ライデン大学医療センターのAnnette H. Van der Helm- van Mil氏

 発症して間もない鑑別不能関節炎(UA)の患者が関節リウマチ(RA)を発症するかどうかを予測する基準が開発された。オランダ・ライデン大学医療センターのAnnette H. Van der Helm-van Mil氏(写真)らが考案したもので、10月29日、サンフランシスコで開催されていた米国リウマチ学会ACR2008)で発表した。

 発症して間もないUA患者への抗リウマチ薬(DMARD)投与開始を判断するのは、容易ではない。UA患者の40〜50%は自然に寛解するのに対し、3分の1はRAへと進行するためだ。演者らは、UA患者がRAを発症するかどうかを見極めるための予測基準を考案し、その有効性を検討した。

 予測基準は、Leiden Early Arthritis Clinicの診療データを用いて開発した。発症間もない関節症患者のコホート(n=1700)から、UAの患者を選び出し(n=570)、1年後のフォローアップでRAへの進行を観察した。

 ロジスティック回帰分析を用い独立予測因子を決定し、それに基づいて作成した予測基準の診断能は、ROC曲線下面積(AUC)により評価した。精度の確認は、Leiden Early Arthritis Clinicの診療データのほか、イギリス(n=99)、ドイツ(n=155)、オランダ(n=34)の3つのコホートでも行った。有効性は、陽性適中率(PPV)、陰性適中率(NPV)およびAUCにより評価した。

 考案した予測基準は、性別、年齢、症状の局在、朝のこわばり、圧痛関節数、腫張関節数、C反応性タンパク質(CRP)、リウマチ因子および抗環状シトルリン化タンパク質(CCP)抗体――の9つの変数から成っている。それぞれの予測スコアは0から14まであり、RA発症のパーセントと対応している。

 検討の結果、NPVのスコア≦6は91%、PPVのスコア≧8は84%であった。各コホートのAUCは、イギリスコホートが0.83(SE、0.041)、ドイツコホートが0.82(SE、0.037)、オランダコホートが0.95(SE、0.031) だった。NPVのスコア≦6はイギリス、ドイツ、オランダコホートの順に82%、83%、83%となった。また、PPVのスコア≧8は、それぞれ100%、93%、100%だった。

 これらの結果から演者らは、「予測基準は有効性が確認され、3つの独立したコホートで優れた識別能を持っていた」と結論した。また、今回開発した予測基準によって、「早期UAにおいて、RAに進行するリスクが予測可能で、個々の患者に合った治療方法の選択が可能になる」などと考察した。