アルバート・アインシュタイン・メディカル・センターのLawrence H. Brent氏

 敗血症性関節炎を併発する関節リウマチRA)患者には、コルチコステロイド免疫抑制治療を受けている高齢の女性患者という特徴があることが分かった。RA患者と非RA患者との比較研究から明らかになった。アルバート・アインシュタイン・メディカル・センター(米フィラデルフィア)のLawrence H. Brent氏(写真)らが10月28日、サンフランシスコで開催中の米国リウマチ学会ACR2008)で発表した。

 RA患者は、基礎疾患あるいは免疫抑制療法のため、敗血症性関節炎(SA)など感染のリスクが高くなる。また、これらの患者におけるSAは、RAによる発赤と誤診される可能性があることから、演者らは、RA患者におけるSAの疫学的特性や臨床特性、併発状態や細菌性病因、さらにはアウトカムについて解明し、RAではないSA患者と比較検討した。

 対象は、1988年から2007年までの間にSAと診断され、アルバート・アインシュタイン・メディカル・センターとアビントン病院に入院した全患者。カルテを調べ、年齢、性別、併存疾患、関節の障害、滑液分析、関連培養結果(滑液、その他)などのデータを収集した。誤ってSAに分類されていた患者や、医学的データが不完全な患者は除外した。SAの診断は、確定(関節が炎症を起こし滑液の培養検査が陽性)、推定(関節が炎症を起こし、滑液の培養検査は陰性だが別の培養検査は陽性)、可能性あり(関節が炎症を起こし、すべての培養検査が陰性)に分類した。特定のパラメーターのデータがない場合には、データがある患者の総数を分母として使ってパーセンテージを計算した。データ分析はSPSS11.0を使った。

 分析の結果、461人の患者がSAと確認された。このうち、28人(6.1%)にRAが併存していた。RA患者でのSA罹患率は、20年間にわたって一定の水準を保っていた。

 SA患者の疫学的特性、併発状態および臨床特性を見ると、RA患者と非RA患者の間で次のような有意な差が見られた。(1)年齢は68±11対54±21(p=0.001)、(2)コルチコステロイドの使用は42.9%対7.2%(p=0.0001)、(3)免疫抑制剤は32.1%対4.6%(p=0.0001)、(4)人工関節感染は35.7%対10.6%(p=0.001)、(5)滑液培養検査陽性率は82.1%対58.0%(p=0.04)。

 細菌性病因については、両グループ間に有意な差はなかった。RA患者では、Staphylococcus aureusが最もよく見られ、71.1%に確認され、そのうち28.6%がメチシリン抵抗性であった。

 次によく見られたのが、Streptococcus agalactiae(グループB)(7.1%)、そしてPseudomonas aeruginosa(3.6%)だった。

 障害を受けた部位は膝関節が両グループで最も多く(50%対47%)、RA患者はMTP関節の障害が多い(7.1%対0.2%、p=0.01)以外は、その他の関節障害についても同様の割合だった。なお、RA患者では、開口して行う外科的デブリドマンを必要とする割合が73.1%対50.1%(p=0.02)と高いのも特徴だった。

 演者らは「SAを併発しているRA患者は、SAを併発している非RA患者と比べて、コルチコステロイドと免疫抑制治療を受けている高齢の女性患者という傾向が強かった」と結論。加えて、「RA患者では、MTP関節と人工関節の感染が多く見られ、滑液培養検査が陽性である傾向があった」とまとめた。