米ニューヨーク大ランゴーニ医療センターのMark C. Fisher氏

 禁煙をすれば、関節リウマチRA)の症状を緩和できることが分かった。RA患者のデータベースであるCORRONAを基にした研究の成果で、米ニューヨーク大ランゴーニ医療センターのMark C. Fisher氏(写真)らが10月27日、サンフランシスコで開催されている米国リウマチ学会ACR2008)で発表した。

 演者らは、RAにおける禁煙の効果を明らかにするため、CORRONAの全患者について、喫煙状況と疾患との関連を調べた。

 まず禁煙患者は、2回連続した診察時に禁煙であると報告した患者と定義した。その上で2008年5月31日時点のCORRONAを調査したところ、登録されているRA患者で喫煙状況を報告したのは1万6521人だった。このうち、1万674人(64.6%)は非喫煙者、3519人(21.3%)は元喫煙者、2328人(14.1%)が喫煙者だった。

 分析では、主要評価項目は臨床疾患活動性指数(CDAI)の変化とし、副次的評価項目は、圧痛関節数(TJC)、腫張関節数(SJC)および身体機能(mHAQ)などの症状の緩解率に設定した。

 調査の結果、登録時に喫煙者であった2328人のうち、少なくとも3回以上の診察を受け、最終診察時に禁煙に成功していたのは328人だった。また、1141人は喫煙を継続していた。

 これらの禁煙群(328人)と喫煙群(1141人)を比較したところ、年齢(56±12.0歳 対 54.5±11.6歳)、罹病期間(9.5±9.2年 対 8.4±8.8年)、追跡期間(3.8±1.5年 対 2.7±1.6年)、生物製剤の使用(33.6% 対 40.5%)の各項目で有意差があった(それぞれp<0.05)。一方、女性の割合(71.5% 対 74.0%)、白人の割合(86.4% 対 85.3%)、リウマチ因子(RF)の有無(78.1% 対 79.6%)では、有意差はなかった。

 臨床疾患活動性指数(CDAI)は、初回診察時には禁煙群が17.6、喫煙群が18.9で両群間で有意な差はなかったが、最終診察時には、禁煙群(11.5)が喫煙群(14.0)より有意に低くなっていた(p<0.005)。一方、寛解率は、禁煙群(18.6%)が喫煙群(12.3%)より有意に高かった(p<0.004)。また、回帰モデルで他の可能性のある交絡因子を調整すると、喫煙の継続がCDAIスコアの上昇と関連があることも分かった。

 これらの結果から演者らは、「今回の試験で初めて、禁煙がRA患者の症状を軽減するのに有効であることが示された」と結論した。また、これを機に「RA患者に対する禁煙介入についての研究がさらに進むことが期待される」と結んだ。