米ボストン大学医学校臨床疫学講座准教授のJingbo Niu氏

 脛長を示す膝の高さが高い、あるいは身長に占める膝高比が大きいほど、変形性膝関節症の有症率が高く、既に発症している場合は増悪しやすい傾向があることが確認された。変形性膝関節症のハイリスク者を対象とした観察研究「MOST」のサブスタディの成果で、米ボストン大学医学校臨床疫学講座准教授のJingbo Niu氏らが、サンフランシスコで開催中の米国リウマチ学会(ACR2008)のポスターセッションで10月26日に発表した。

 Niu氏らは、変形性膝関節症の患者とハイリスク者を対象とした多施設観察研究「MOST」(Multicenter Osteoarthritis Study)のサブスタディとして、変形性膝関節症の発症・増悪と膝高(膝関節角を90度として着座した時の床面から膝上部までの高さ)の関連を調べた。

 対象は、ベースライン時と30カ月目のフォローアップでX線による評価を受けた2660人。ベースライン時のプロフィールは、平均62.4±8.0歳、59.5%が女性、84.7%が白人で、平均BMIは30.6±5.8kg/m2。36.9%が脛大腿関節の変形性関節症を、16.7%が膝蓋大腿関節の変形性関節症を発症していた。また、30カ月フォローアップ時の検査では、36.3%が脛大腿関節の症状が、5.8%が膝蓋大腿関節の症状が、それぞれ悪化していた。

 膝高は平均53.3±3.4cm(43.1-70.0cm)、身長に対する膝高の比率は平均0.31±0.008(0.28-0.38)だった。

 膝高の身長比率について四分位値を求め、第1四分位の者に対する第2〜4四分位の者の脛大腿関節の変形性関節症の有症率オッズ比を求めたところ、第2四分位は1.5(1.2-1.7)、第3は1.7(1.4-2.1)、第4は2.3(2.2-3.4)と、すべて有意に増加しており、全体の増加傾向(p for trend)も有意だった(p<0.0001)。

 膝蓋大腿関節についても同様で、第2〜4四分位の有症率のオッズ比はそれぞれ、1.4(1.1-1.9)、2.2(1.7-2.8)、3.1(2.4-4.0)で、各四分位の増加、全体の増加傾向(p for trend)がともに有意だった。

 さらに、30カ月目の増悪と膝高比の関連についてみたところ、脛大腿関節の変形性関節症については、第2〜4四分位のオッズ比(1.4、1.7、2.6)と全体の増加傾向がともに有意、膝蓋大腿関節の変形性関節症増悪についても、同じく各四分位のオッズ比がそれぞれ、1.5、2.1、2.2で、第3、第4四分位と全体の傾向が有意だった。これらの関連は、膝高の絶対長においても、やや弱いながら同様の傾向を示した。

 これらの分析から、Niu氏らは、膝高と身長膝高比が大きいと膝に対するモーメントが大きく負荷がより強い可能性があり、今回の研究ではそれを裏付ける結果が得られたとしていた。