オランダ・アムステルダムVU大学医療センターのMichael T. Nurmohamed氏

 関節リウマチ(RA)患者の心血管疾患リスクは健常者より有意に高く、糖尿病患者並みであることが示された。オランダ・アムステルダムVU大学医療センターのMichael T. Nurmohamed氏らが、2つのコホートにおける3年間の心血管疾患発症を観察した研究に基づく成果で、米サンフランシスコで開催中の米国リウマチ学会(ACR2008)の一般口演で10月26日に発表した。

 こうした比較の多くは横断研究で行われており、コホートの前向き観察研究による比較は少ないという。研究グループでは、RA患者の心血管リスクなどについての観察研究である「CARRE研究」と、健常人を登録し、耐糖能と心疾患リスクなどを調べたHOORN研究の対象者について、3年間の心血管疾患発症リスクを比較した。

 CARRE研究は現在も継続中で、発症後12年以上のRA患者が対象。2001年に始まった研究で、5年以上のフォローアップを行うこととしている。HOORN研究はオランダの50〜75歳の一般人口が対象で、1989年から実施された。

 両群の対象者のうち、少数の非白人を除外、同意が得られ、3年間の追跡を完了した健常群1852人とRA群312人について、心血管発症リスクを比較した。

 結果は、追跡期間中、RA群の心血管疾患発症率が9.0%だったのに対し、健常群では4.3%。100人・年当たりの心血管イベント数では、RA群が3.3(95%CI:1.98-4.30)、健常群が1.51(95%CI:1.18-1.84)だった。

 性、年齢と心血管リスク因子(血圧降圧薬服用、総コレステロールHDLコレステロールスタチン服用、喫煙糖尿病アスピリン服用)で調整した健常群に対するRA群の相対危険度は、2.00(95%CI:1.25-3.07)で有意に高かった(p=0.003)。

 次に、RA群の心血管リスクを2型糖尿病(DM)群と比較した。最初の比較で対象としたHOORN研究の健常者1852人のうち、空腹時血糖異常(IFG)者205人を除き、非DM健常群1492人とDM群155人に分けた。RA群については、IFGとDMの罹患者49人を除く263人を非DM-RA群とした。

 非DM健常群に対する非DM-RA群とDM群の性・年齢調整後の相対リスクを比較したところ、DM群は2.02(95%CI:1.11-3.66、p=0.021)、非DM-RA群は2.22(95%CI:1.33-3.71、p=0.002)と健常群に対していずれも有意に高く、ほぼ同等のリスク上昇がみられることが分かった。

 一方、心血管リスクで調整した相対リスクを求めたところ、DM群は1.4(95%CI:0.8-2.6)、非DM−RA群は1.9(95%CI:1.1-3.5)で、DM群については有意なリスク増加はみられなかった。

 これらの結果からNurmohamed氏らは、関節リウマチは、既存の心血管リスクとは独立した心血管疾患の発症リスクになっており、リスク上昇は2型糖尿病に匹敵することが示唆されたと結論づけていた。