共同演者のLaura E. Thorp氏

 内側型変形性膝関節症の患者に、外側ウエッジ型足底板の長期使用が効果的であることが報告された。通常の足底板と比較した二重盲検試験により明らかになったもので、ラッシュ大メディカルセンター(米、シカゴ)のMarkus A. Wimmer氏らが10月26日、サンフランシスコで開催されている米国リウマチ学会(ACR2008)で発表した。

 対象は、内側部分に症状のみられる変形性膝関節症(Kellgren-Lawrence分類2〜3、歩行時の痛みが視覚アナログ尺度で100mm上で30mm以上)の100人(平均年齢±SD、57.5±10.5歳)。

 被験者は、3年間の長期比較二重盲検試験に登録され、通常の足底板か7度の傾斜のある外側ウエッジ型足底板のどちらかを、少なくとも1日に8時間装着するように無作為に割り付けられた。そのうち38人(外側ウエッジ群25人、通常足底板群13人)の被験者が試験を完了した。

 両群の背景では、年齢、男女比、あるいは体格指数について差がなかった。各被験者を、試験開始時、3カ月、12カ月、24カ月、36カ月時に、歩行分析により評価した。膝関節に加わる力の指標であるKAddMを計算し、試験開始時とその後の評価時とで、t-検定を用い比較した。なお、KAddMは「体重×身長の%」で調整した。

 その結果、試験開始時は、両群間でKAddM(%体重×身長)に差がなかった(外側ウエッジ群3.00±0.61 対 通常足底板群2.97±0.76、p=0.898)。

 外側ウエッジ群では、3カ月時のKAddMの平均値は2.94±0.51で、試験開始時と変化はなかった(p=0.538)。12カ月までにはKAddMの目立った変化はなく、試験開始時に比べて6%の減少にとどまり、KAddM値は2.81±0.62(p=0.085)だった。ただし12カ月以降は、荷重(負荷)の減少が続き、24カ月までにKAddM値は2.72±0.53(p=0.003)となり、試験開始時と比較して9%減少していた。それは36カ月まで維持された(2.76±0.48、p=0.007)。

 一方の通常足底板群では、試験開始時と比較してKAddM値の統計学的に有意な変化は、どの評価時点でもみられなかった。3カ月、12カ月、24カ月、36カ月のKAddM値は、それぞれ3.12±0.67(p=0.173)、3.17±0.98(p=0.121)、2.90±0.68(p=0.543)、2.98±0.72(p=0.943)だった。

 これらの結果から演者らは、「内側部分の荷重(負荷)を持続的かつ有意に減少させるのに、外側ウエッジ型足底板の長期使用が効果的であることが示された」と結論した。さらに、通常の足底板では何の効果も得られなかったことから、「荷重(負荷)の減少は単に靴に足底板を装着することではなく、ウェッジのある足底板に起因することが確認できた」とし、「非侵襲的に膝の荷重(負荷)を有意に減少させる外側ウエッジ型足底板の効果は臨床的に意義深い」と考察した。