3種の抗TNFα薬が上市されている米国では、しばしば抗TNFα薬間での切り替えが行われる。しかし、これまでのところ、切り替えが医療コストに及ぼす影響についてはほとんど検討されていない。米セントコア社のTang氏らは、PharMetrics社の医療保険請求データベースの記録を解析した結果、抗TNFα薬間の切り替えは医療コストを増加させることを明らかにした。11月9日、米国リウマチ学会・学術集会のポスターセッションで発表した。

 今回の解析は、PharMetrics社のデータベースに医療保険請求記録をもつ関節リウマチ(RA)患者のうち、2001年1月1日〜2004年1月1日の期間に初めての抗TNFα療法を受けた2231例の患者のレトロスペクティブな解析である。

 これらの患者のうち、治療開始から1年以内に抗TNFα薬間の切り替えを行った経験のある患者の割合は9.3%(207例;切り替え群)だった。切り替え群と非切り替え群の年齢、性別、合併症の有無、RAの疾患ステージには有意な差は認められなかった。

 しかし、医療コストに目を向けると、非切り替え群の患者1人当たりのコストが1万6754ドルであるのに対し、切り替え群では1万9256ドルと、約2500ドルもの開きがみられた(p=0.005)。なかでも最も大きな差がみられた項目は、「薬剤費」(1万3445ドル vs 1万5478ドル、p=0.001)、「受診料」(900ドル vs 1350ドル、p<0.0001)であり、「検査費」(50ドル vs 74ドル、p=0.012)にも有意な差がみられた。

 今回の解析では、切り替えの理由については検討されていないが、少なくとも全ての理由によるものを含めた「切り替え」という行動全般には、極めて高い医療コストが伴うことが示された。複数の治療法が選択できる場合、一つの治療法が継続困難になった場合「切り替え」は有効な手段であるが、この報告は医療コストをも考慮したもので、非常に興味深いものであろう。