肥満変形性膝関節症(OA)の強力なリスクファクターだが、OA発症後の進行リスクとしての影響は少ないことが示された。米ボストン大学医療センターのJingbo Niu氏らが行ったMOST(Multicenter Osteoarthritis Study)試験により明らかになったもので、11月10日、米国リウマチ学会・学術集会の一般口演で報告された。

 Niu氏らは、変形性膝関節症(OA)またはそのリスクが高い患者3026例(50〜79歳)を登録し、2007年6月までに30カ月の追跡期間を満たした2307例(平均62.4歳)の解析を行った。平均BMIは30.5だった。

 合計4481膝についてX線検査による膝変形度評価をした結果、試験開始時点でOA(K/Lグレード≧2)が認められたのは35.3%だった。これらのうち、30カ月の追跡期間中にOAの進行が認められたのは52.6%で、その内訳は、内反膝の進行が41.1%、外反膝の進行が12.4%だった。一方、開始時にOAの認められなかった膝では、6.0%が追跡期間中にOAを発症した。

 BMI別に4段階の肥満度(正常体重群、過体重群、軽度肥満群、高度肥満群)に層別化して、肥満度とOA発症リスクとの関係を検討した結果、正常体重群に対する各群のOA発症の相対リスクは、過体重群が2.0、軽度肥満群が2.9、高度肥満群が4.7と、肥満度が高いほどOA発症リスクが増大することが分かった。肥満に伴う発症リスクの増大は、内反膝、外反膝のいずれにも認められている。

 これに対してOAの進行に関する相対リスクは、過体重群1.0、軽度肥満群1.0、高度肥満群1.2と、肥満による影響はあまり大きくないことが示された。また肥満によるリスク増大がみられたのは内反膝のみで、その内反膝でさえも高度変形例では肥満が進行リスクの増大につながることはなかった。