英サウサンプトン大学病院のChristopher Edwards氏

 英国における13万人超の患者情報をもとにしたネステッド症例対照研究の結果から、関節リウマチ(RA)患者は一般人口に比べ、脳卒中発症リスクが1.65倍と有意に高いことが示された。RA治療薬との関連についても調べたところ、プレドニゾロンが有意なリスク要因として浮かび上がった。英サウサンプトン大学病院のChristopher Edwards氏らの研究で、11月8日、米国リウマチ学会・学術集会の一般口演で報告された。

 Edwards氏らは、700万人超の患者情報を登録した「英国一般診療研究データベース(GPRD)」から、1987年6月から2002年4月までに登録されたすべての成人RA患者と、性、年齢、受診状況を一致させた対照例を1症例につき3人選び出した。GPRDには診断・処方情報が記録されていて、プライマリケア医から2次、3次医療機関までのRA患者情報をほぼ網羅している。

 RAと診断される以前の脳卒中発症例を除いたRA患者3万3191人(平均年齢55.6歳、女性71.4%)と対照群9万9570人(平均年齢55.3歳、女性71.4%)を分析対象とした。分析期間の中間5年間において、RA群で885人、対照群で2155人が脳卒中を発症した。1000人・年当たりの脳卒中発症率は、RA患者では5.70、対照群では2.94で、ハザード比は1.67(1.55-1.80)で、RA患者の発症率が対照群を有意に上回っていた(p<0.001)。

 次に多変量解析を実施し、既存の危険因子(性、年齢、BMI、喫煙、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、心不全、腎不全、高脂血症)と、これらの疾患に対する治療薬、ステロイドと抗リウマチ薬で調整した。その結果、RAは、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、心不全とともに脳卒中に対する独立の危険因子となり、発症率比(IRR)は1.65(95%信頼区間:1.44-1.88、p<0.001)と有意に高かった。

 さらにRA患者だけに対して多変量解析を行い、抗リウマチ薬とステロイドについて脳卒中発症リスクを求めたところ、プレドニゾロン単剤だけが独立の危険因子となった(IRR=1.29 CI:1.09-1.56、p=0.01)。

 Edwards氏らはこれらの結果をもとに、RAは使用薬剤や体質、併発症などとは独立に脳卒中の危険因子であることが確認できたと結論付けた。