関節リウマチ(RA)の患者では、関節症状だけでなく、関節外症状に悩まされることも多い。重度の関節外症状の発生頻度は100人・年当たり1件程度とされているが、近年の治療法の進歩は、この数字にも何らかの影響を及ぼすことが予想される。スウェーデン、Malmo大学のCarl Turesson氏らは、1016例のRA患者の7年半の医療記録をレトロスペクティブに解析。特に抗TNFα療法を受けた患者においては、発症率減少の兆しが見えてきていると述べた。11月10日、米国リウマチ学会・学術集会のポスターセッションで発表した。

 Turesson氏らは、1997年7月〜2004年12月までの全データを総覧し、関節外症状の発生件数を種類別に集計し、発生率を求めた。ただし、1997年7月より以前に関節外症状の既往があったことが確認された58例については解析から除外した。

 集計の結果、計67例(6.6%)に関節外症状の発生が確認された。その内訳と発生率は、心膜炎15件(1.5%)、胸膜炎21件(2.1%)、重症の皮膚血管炎24件(2.4%)、間質性肺疾患7件(0.7%)、血管炎による神経症7件(0.7%)、他の主要組織の血管炎2件(0.2%)、強膜炎/上強膜炎5件(0.5%)、糸球体腎炎3件(0.3%)、Felty症候群4件(0.4%)だった。

 次に同氏らは、抗TNFα薬の投与を受けていた患者の数と投与期間を集計。投与を受けていた患者100人・年当たりの関節外症状発生率を求め、抗TNFα薬投与を受けていない患者における発生率と比較した。

 その結果、抗TNFα薬投与を受けていない患者における関節外症状の発生は、100人・年当たり1.16件であったのに対し、投与を受けていた患者における発生は、100人・年当たり0.49件だった。しかしながら、標本数不足のため、有意な差は得られなかった。

 以上の結果より、抗TNFα薬はRA患者における関節外症状の発生を低下させる可能性が示された。この「可能性」を「事実」に変えるためには、十分なサンプル数を備えた集団において、さらに検討を重ねる必要があろう。