マニュアル作成を報告したEileen Shinners氏

 インフリキシマブ(IFX)の投与においては、「2時間以上かけてゆっくり静注する」こととなっているが、最近欧州では3回の導入治療時に認容性のあった患者ではそれ以降1時間で投与することも可能となっている。アイルランドOur Lady's HospiceのEileen Shinners氏(写真)らは、安全に留意しながら投与時間の短縮を図るマニュアルを作成。これに沿って、厳重な監視下で適切なステップを踏んで投与すれば、投与時間の短縮ができ、投与時反応リスクの増加をみることもないと報告した。11月9日、米国リウマチ学会・学術集会のポスターセッションで発表した。

 このマニュアルでは、全ての投与を同じように扱うのではなく、初回投与から5回目、6〜10回目、11回目以降と、投与経験に応じて3つの段階に分けている。最初の5回までの静注時間は従来通りの2時間とし、投与中には30分ごとにバイタルサインを測定し、その変化に十分な注意を払うとともに、投与終了後も2時間の間、やはり30分ごとにバイタルサインを測定することがルーチンな手順として記載された。

 投与時反応を起こすことなく5回の投与を終えた患者には、6回目以降は同様のモニタリングを行い、静注時間を1時間に短縮した。また、投与後の観察時間も1時間へと短縮した。

 さらに、上記の手順による10回の投与を問題なく終えた患者には、11回目以降の静注時間を30分に短縮した。バイタルサインの測定は、投与前と投与後、投与終了30分後の各3回とした。

 Shinners氏らの施設では、このマニュアルに沿って、これまで2時間かけてIFXを静注してきた98人の患者の静注時間短縮に成功した。うち1名は、過去に軽度の投与時反応を経験していたが、静注時間の短縮後は一度も投与時反応を起こしていないという。また、新たにIFX投与を開始した23人では、1例のみにおいて重度の呼吸器障害の発生がみられた以外、大きな問題はみられていない。

 IFX投与患者の忍容性に応じて投与マニュアルにバリエーションをもたせる試みが行われている。同氏は、「この方法を採用することにより、安全性を損なうことなく患者の利便性と医療効率の向上が図れるだろう」と語った。