骨折予防などを目的として高齢者にビタミンDを投与する場合、十分な服薬コンプライアンスが得られないことがある。この対策として、通常の健常者1日上限量をはるかに超えるビタミンD3の大量・単回投与を試みたところ、少なくとも6カ月にわたり、血中25(OH)D濃度を平均60nmol/L以上に維持できたという。スイス・チューリッヒTriemli病院のCord von Restorff氏らが11月10日、米国リウマチ学会・学術集会のポスターセッションで報告した。

 Restorff氏らは、2006年12月から2007年4月までの間に、骨格筋症状や骨疾患、歩行時の異常などを訴えて急性期施設に入院してきた33人の高齢患者(平均80.5歳)全員に対し、30万国際単位のビタミンD3を経口で単回投与し、経口カルシウム剤の毎日服用を指示した。

 ベースラインの血中25(OH)D濃度は全員が25nmol/Lを切っており、平均15nmol/L(範囲は4.5-24.5 nmol/L)と著しいビタミンD 欠乏状態だった。投与後、3カ月目(n=29)には平均81.4±29.7nmol/L(36.3-167.3 nmol/L)に上昇、6カ月目(n=26)にも69.0nmol/L(36.0-111.5nmol/L)を維持していた。血中カルシウム濃度は、ベースラインで2.24mmol/L、6カ月目には2.28mmol/Lだった。

 日本人の食事摂取規準における1日上限摂取量は2000IUであり、有害事象が気になるが、Restorff氏らは特にみられなかったとする。3カ月目の時点で2人の血中カルシウム濃度が最大2.69mmol/Lと軽度の高カルシウム血症を呈したが、6カ月目には正常に戻ったとしていた。