関節リウマチ(RA)患者では、初期の段階から動脈硬化が始まっており、しかも18カ月といった短期間に急速に進行している可能性が示された。発症1年未満のRA患者と健常者を比較した症例対照研究の成果で、米国リウマチ学会・学術集会で11月9日、スウェーデンUmea大学病院リウマチ科のAnna Sodergren氏がポスター発表した。

 RA患者では心血管疾患の発症率や死亡率が高いことが知られているが、古典的なリスク要因だけでは説明がつかず、RAで亢進する炎症性因子の関与が疑われている。Sodergren氏らは、頸動脈内膜中膜肥厚(IMT)の経時変化について、初期リウマチ患者と対照群との比較を試みた。

 スウェーデン北部4地域における大規模観察研究の参加者から、診断されて1年以内の初期RA患者79人(うち女性63人)を対象とし、性・年齢を一致させた対照群44人(うち女性34人)を登録した。18カ月後、この中からRA群と対照群各26人(ともに男性8人、女性18人)についてIMTの変化を調べた。

 その結果、RA患者群では、ベースラインに比べてIMTの有意な肥厚がみられた(0.52mm vs 0.57mm、p<0.05)が、対照群では有意な変化はなかった(0.53mm vs 0.54mm、ns)。

 RA患者群を、治療によく反応したグループ(レスポンダー群)とそうでない群(ノンレスポンダー群)に分けると、有意差はみられなかったが、ノンレスポンダー群はレスポンダー群に比べ、ベースライン、18カ月時のいずれもIMTが厚く、経時変化も大きい傾向がみられた(18カ月時点で0.53mm vs 0.68mm、p=0.067)。

 これらの結果からSodergren氏らは、RA患者ではごく初期から動脈硬化性の変化が急速に進行している可能性があるとした。同じ対象群についての同日の別のポスター発表で同氏らは、RA患者のIMTが、t-PA(組織性プラズミノーゲン活性化因子)濃度、von Willebrand因子(vWF)、sLセレクチン、MCP-1などの血管内皮機能、血液凝固関連因子と関連がみられたことを報告しており、RA患者では初期の段階から、血管内皮ストレスが高まっている可能性があることも指摘していた。