変形性関節症(OA)の手指に対して、塗布剤ジクロフェナクナトリウム・ゲル(DSG)の有効性が第3相臨床試験で確認された。米国で行われた多施設無作為化二重盲検試験の結果は、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医療センターのRoy Altman氏らが11月10日、米国リウマチ学会・学術集会のポスターセッションで発表した。

 試験期間は8週間で、米国内の65施設で行われた。対象としたのは、利き手がOAと診断された(利き手でない手に症状があっても軽い)385人の症候性患者。40歳以上で12カ月以上前から痛みがあり、強い痛みの発現を2回以上経験、その際には非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を服用または局所投与するか、サリチル酸系薬剤を使用した人々とした。

 Kellgren-Lawrence(K/L)スコアが1-3、100mm VAS(visual analog scale)スケール(*)で示した過去24時間の痛みが40mm以上で、約7日間かけてNSAIDsをウォッシュアウトした後、痛みが15mm以上強くなった患者を治療群(n=198)と偽薬群(n=187)に割り付けた。

 治療群には1日4回、DSGを両手に2gずつ塗布し、偽薬群にはジクロフェナクを含まないゲル基材のみを同様に塗布する治療を8週間継続した。

 主要評価指標は、4週目と6週目における過去24時間の痛みの強さ、Australian/Canadian Osteoarthritis Hand Index(AUSCAN)スコア、疾患活動性の国際指標による評価とし、いずれも100mm VASのベースラインからの変化量を比較した。コンプライアンスは、治療群77.8%、対照群75.9%だった。

 4週目には、痛みの強度のベースラインからの変化は、治療群31.1、偽薬群23.91(p=0.018)、AUSCANの合計も23.5 vs 16.8(p=0.011)で、改善は治療群で有意に大きかった。疾患活動性については有意差は得られなかったが、治療群でより改善されている傾向がみられた(20.8 vs 14.8でp=0.06)。

 6週目には、これらすべてに有意差が認められた。痛みは33.7 vs 26.7(p=0.023)、AUSCANの合計は25.9 vs 18.6(p0.006)、疾患活動性は23.1 vs 16.3(p=0.023)だった。4週目と6週目のAUSCANの合計を治療群と偽薬群の間で比較すると、それぞれ6.3mmと7.1mmとなり、臨床的に意義のある差が生じたと考えられた。

 2次評価指標として1週、2週、8週目の変化も比較したが、いずれの時点でも、AUSCANの痛みに関する項目、機能に関する項目、こわばりに関する項目など、比較された指標の多くにおいて有意な差が得られた。

 有害事象は一般に軽度から中等度だった。多かったのは頭痛、腰痛、関節痛など。有害事象の発生率は治療群で高かった(52.0% vs 43.9%)が、治療中止に至った患者は少なかった(5.6%と2.1%)。中止の理由として最も多かった有害事象は塗布部位の皮膚炎で、発生率は両群ともに0.5%だった。

 Altman氏らは、「改善は1週目から見られた。忍容性は良好で、安全性も偽薬とほぼ同等であることが明らかになった」と結論付けていた。なお、受けた治療を「非常に良い」または「大変良い」と評価した患者は、治療群の47.7%、対照群では36.5%だった(p=0.008)。


*100mm VASスケール=100mmの直線上で、全く症状がない状態を0mm、想像しうる最悪の状態を100mm とし、症状の強さを患者自身が数字で表す。