変形性関節症(OA)の関節では軟骨細胞が成熟・肥大し、基質の石灰化を促進していると考えられている。独Rheumaklinik Bad BramstedtのMartin Fuerst氏らは、進行した変形性膝関節症では石灰化が非常に高率で、石灰化面積が重症度と相関すること、通常のX線撮影や関節液分析では十分に検出できず、接触型X線撮影が有効なことを明らかにした。研究成果は米国リウマチ学会・学術集会のポスターセッションで11月10日に発表された。

 Fuerst氏らは、人工膝関節置換術を受ける変形性膝関節症患者88人(女性65人、男性23人、平均年齢69歳)を対象とした。術前にHSS(Hospital for Special Surgery)膝スコアを評価し、X線撮影を行った。術中に内側半月と外側半月、大腿骨内側顆由来の軟骨と関節液(2mL)を回収した。

 通常のX線撮影で関節腔に石灰化が見つかったのは全体の26.2%だった。しかし、半月と軟骨に対して、デジタルマンモグラフィーシステムを用いて密着X線撮影を行ったところ、軟骨標本のすべてに石灰化が見つかった。半月では59.1%に石灰化がみられた。偏光顕微鏡で観察したところ、69%の患者の関節液にはピロリン酸カルシウム結晶(CPPD)が認められた。

 石灰化領域の面積を測定したところ、軟骨の石灰化面積はHSSスコアと逆相関していた(p<0.01)が、半月の石灰化面積とHSSスコアの間には関係は見い出せなかった。Kellgrenステージが4と判定された膝関節では、ステージ2と3の関節に比べ石灰化面積が大きかった。

 エネルギー分散形X線分析装置を備えた電子顕微鏡で軟骨標本の結晶組成を分析したところ、対象となったすべての標本からBCP(アパタイト)が検出された。CPPDが認められたのは4検体のみだった。

 患者の軟骨細胞を培養し、アリザリンレッド染色により石灰化能を調べたところ、全員の検体について石灰化能の有意な上昇が見られた。

 本研究の結果からFuerst氏らは、「末期OA患者では関節軟骨の石灰化が高頻度にみられるが、通常のX線撮影や関節液の偏光顕微鏡観察では十分に検出できない。密着X線撮影が有効で、確定診断には電子顕微鏡が必要」としていた。