START試験の成果を報告したRahman氏

 インフリキシマブ(IFX)の効果がIFXに対する抗体(ATI)の産生に影響するとの可能性が指摘されている。しかし、米セントコア社のRahman氏(写真)らは、同薬の増量試験であるSTART試験において常用量で奏効した患者と増量を要した患者の血中IFX濃度とATIの有無を調べた結果、後者では確かに血中IFX濃度が低下しているものの、ATIとIFX増量の間には明らかな相関は認められなかったことを報告した。11月9日、米国リウマチ学会・学術集会のポスターセッションで発表した。

 START試験は、メトトレキサート(MTX)にてコントロール不良な活動性関節リウマチ(RA)患者1084例を対象に、(1)MTX+高用量(10mg/kg)IFX(第1群)、(2)MTX+常用量(3mg/kg)IFX、効果不十分なら22週目以降IFXを漸増(第2群)、(3)MTX+プラセボ、22週目以降は常用量IFXを追加(第3群)、の3つのレジメンを比較したプラセボ対照二重盲検比較試験である。

 今回Rahman氏らは、同試験において第2群に割り付けられた360例の患者を対象に、増量実施の有無・回数と血中IFX濃度、ATI陽性・陰性との関連を検討した。なお、IFX投与は0、2、6、14、22、30、38、46週の計8回であり、増量は22週目以降にベースライン比で20%以上の腫脹・疼痛関節数の改善が認められないとき(効果不十分)、あるいは22週目で50%以上の腫脹・疼痛関節数の悪化が認められたとき(再燃)に、1.5mg/kgずつ最大9mg/kgまで行った。

 54週追跡しえた第2群患者329例のうち220例(67%)は増量を受けることなく試験を終えた。1回以上の増量を受けた患者は100例(30%;増量群)であった。増量回数は1回が59例、2回が21例、3回が13例であり、増量群のうち80例は増量によって症状の改善が見られた。改善を達成した患者では、最終増量前の血中IFX濃度のトラフ値が非増量群に比して著明に低値であったが、最終増量後は非増量群と同程度まで上昇していた。

 増量群におけるATI陽性率は29%であり、非増量群(20%)よりやや高めだったが有意な差ではなかった(p=0.087)。また、抗IFX抗体の有無と増量回数、増量後の治療応答率の間には有意な相関は認められなかった。

 以上のように、今回の検討からは、ATIの存在がIFXに対する治療応答性に関与することを示す直接的な証拠は得られなかった。その一方で、増量を要した患者では、通常より明らかに血中IFX濃度が低下していた。Rahman氏らは「血中IFX濃度の低下には、ATIとは別の未知の因子がより強く関与しているのではないか」との見解を示した。