抗リウマチ薬(DMARDs)を使用している関節リウマチ(RA)患者はあまり多くない。その原因の一端がかかりつけ医の姿勢にあるというカナダの調査結果が提示された。DMARDs未使用の患者は活動性RAである場合が多く、状況の改善が急がれるという。カナダ関節リウマチ研究センターのDaian Lacaille氏らが11月8日、米国リウマチ学会・学術集会のポスターセッションで報告した。

 Lacaille氏らはこのほど、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の地域住民コホートから無作為に抽出したRA患者6500人に対してアンケート調査を行い、このうち1822人についての解析結果をまとめた。解析対象の平均年齢は64歳で、女性が69%を占めていた。

 それによると、DMARDsの使用経験があったのは49%に過ぎず、このうち現在も使用しているとの回答は39%のみだった。DMARDsを使用していない患者の全般健康状態スコア(VAS評価)は平均5.5、活動性スコア(RADAI)は同8.4と、これらの患者の多くは活動性RAだった。

 Lacaille氏らは、「DMARDsを使用していない患者が実際に活動性RAであることが示されたことから、現在、ガイドラインで推奨されているDMARDs投与の妥当性が裏付けられた」としている。

 DMARDsを使用しない理由として最も多く挙げられたのは、「医師に奨められなかったから」の45%。これに「副作用が怖いから」(26 %)、「薬を飲みたくないから」(24%)、「必要ないと思うから」(23%)などの理由が続いた。

 また、リウマチ専門医の診療を受けていたのは39%で、それを上回る44%の患者はかかりつけ医のみに治療を委ねていることも分かった。専門医を受診しない理由の上位を占めていたのは、「かかりつけ医のいうことを聞いていたいから」(43%)、「自分のリウマチとの今の付き合い方に満足しているから」(36%)、「リウマチ専門医に今以上の何ができるのか分からない」(33%)などだった。

 以上の結果からLacaille氏らは、DMARDsを使用しない理由の多くは、意識の改善や、ガイドラインおよび安全性に関する知識の向上を図ることで打開できるものだと指摘、「今回の検討により、関節リウマチに対するケアの向上を実現するには、専門医への受診の壁を取り除くだけでなく、患者とかかりつけ医の意識改革が必要であることが明らかになった」と結論付けた。