シカゴ大学リウマチ科助教授のNadera Sweiss氏

 中枢神経系を侵す肉芽腫性疾患である神経サルコイドーシスは、ステロイド治療が行われるが、治療抵抗性や副作用のため、治療効果が得られないことも多く、様々な併用薬や代替薬が用いられる。シカゴ大学リウマチ科助教授のNadera Sweiss氏らの研究グループは、ステロイド治療に難渋した22例のうち14例に抗TNF薬を投与し、好成績を得た。研究成果は11月9日、米国リウマチ学会のポスターセッションで報告した。

 神経サルコイドーシスは原因不明の疾患で、脳神経障害髄膜疾患脳症痙攣など多彩な症状が現れるとされる。Nadera氏らは、2000年3月から2007年4月にかけて治療を実施した神経サルコイドーシス患者22人(24〜72歳、男性11人、黒人17人)を対象とした。

 22人中20人は生検によりサルコイドーシスと同定。他の2人は臨床症状とX線像で診断された。20人は全身性サルコイドーシスも呈していた。ステロイドのほか、7人にレフルノミド、5人にはアザチオプリン(プリン拮抗薬)、4人にメトトレキサート、ほかに免疫抑制剤のミコフェノール酸モフェチールヒドロキシクロロキンシクロフォスファミドが用いられていた。

 これらの投薬などに対し、22人中8人は治療に反応し、プレドニゾンを減らすことができたが、14人は中・高用量のステロイドに代替薬を併用しても疾患が進行した。

 そこでNadera氏らは、この14人のうち、12人に抗TNF製剤のインフリキシマブを、また2人に同じく抗TNF製剤のアダリムマブを投与した。

 その結果、症状と画像上の改善がみられ、10人はプレドニゾンを減らすことができ、4人はプレドニゾンを中止することが可能になった。副作用はみられなかった。ただし、3人は治療費やコンプライアンスの問題から治療を中止し、症状が再発したという。

 Nadera氏は、「ステロイドや併用薬に抵抗性の神経サルコイドーシスに対しては、抗TNF治療が有益な場合がある。しかし、あくまでステロイド治療が優先されるべきだ。抗TNF薬では寛解には至らず、投薬中断後、再燃がみられる」と注意を喚起していた。