関節リウマチ(RA)患者に対する抗TNFα療法は、以前のような重症例に対する「最後の切り札」としての使われ方から様相を変え、早期の患者にも積極的に用いられることが増えているとされる。デンマーク、Hvidovre大学のHeltland氏らは11月8日、米国リウマチ学会で、同国において最初に抗TNFα薬が導入された2001年から2005年までに抗TNFα薬投与を受けた全てのRA患者のデータを解析した結果、比較的低活動性の患者への投与が増えており、これに伴い治療成績が向上していることを報告した。

 デンマークの大規模患者レジストリ「DANBIO」には、同国において抗TNFα薬の投与を受けた全RA患者のデータが登録されている。このうち2001年1月1日から2006年1月1日までに登録され、1年以上の治療記録のある患者は957例であり、その70%が女性、平均年齢は58歳(18〜86歳)、平均罹病期間は9年(0〜59年)、抗TNFα薬投与以前に用いた抗リウマチ薬は平均3剤(0〜8剤)だった。

 Heltland氏らは、これらの患者を登録年によって5分し、各コホートにおけるベースライン時および12カ月後の疾患活動性と、12カ月後の治療効果を比較した。なお、疾患活動性と治療効果は、いずれもEULAR基準に基づいて評価した。

 その結果、初年度(2001年)の登録コホート(n=135)では高活動性の患者が67%を占めていたが、直近(2005年)のコホート(n=245)ではその割合は56%に低下していた。また、2001年のコホートでは治療12カ月後に低活動性であった患者は30%に過ぎなかったが、2005年のコホートでは56%に増加し、中等度活動性の患者は53%から36%に、高活動性の患者は17%から8%に低下していた。

 治療効果は、2001年のコホートでは「良好」が26%、「中等度」が46%、「無効」が28%だったが、2005年のコホートでは「良好」が49%、「中等度」が33%、「無効」が18%となった。

 以上のように、抗TNFα療法の成績は5年間で著明に向上し、直近では半数の患者が良好な反応を得ており、反応不良な患者は5人に1人弱となっていることが示された。一方で、治療開始時の疾患活動性は高活動性から中等度活動性へと移行している。抗TNFα薬は治療抵抗性で重症なRAの治療薬としても有効であるが、本薬のポテンシャルをより活用するためには、より早期から積極的に用いるべき薬剤であることが示唆された。「切り札」は温存せずに最初から積極的に使うべきだと言えよう。