薬物療法の進歩に伴い、関節リウマチ(RA)治療の目的は「症状の緩和」から「寛解導入」へ、さらには薬物治療からも離脱した完全なる「治癒」へと変化している。新旧4つの治療戦略の効果を比較検討したBeSt試験では、早期から積極的な薬物治療を行うことで寛解を維持し、その後、抗リウマチ薬(DMARD)から離脱(Drug Free)できることを明らかにしている。オランダ、Leiden大学のVisser氏らは米国リウマチ学会で11月8日、BeSt試験参加者のDrug Free後の治療再開を予測する因子について検討を加え、症状発現からの期間が短いほどDrug Free後のDMARD再投与が少ないことを報告した。

 BeSt試験は、508例の早期活動性RA患者を対象に、(1)メトトレキサート(MTX)単剤で治療を開始し、必要に応じて増量、効果不十分なら他剤に変薬(第1群)、(2)MTX単剤で治療を開始し、必要に応じて増量、効果不十分なら他剤を追加(第2群)、(3)MTXと高用量ステロイド、スルファサラジンの併用で治療を開始(第3群)、(4)インフリキシマブ(IFX)+MTXで治療を開始(第4群)の4つの治療戦略群間の比較試験である。

 同試験では、3カ月ごとに疾患活動性を評価し、DAS44スコア≦2.4の状態が6カ月以上持続する「寛解」を達成した場合は、上記薬剤を漸減・休薬して維持量の抗リウマチ薬(DMARD)による単剤治療とし、さらに2年目以降はDAS44スコア<1.6の状態が6カ月以上持続した場合はDMARDも休薬するというプロトコールがとられた。逆に、DMARD休薬後にDAS44スコア≧1.6へと悪化した場合、再びDMARD投与が開始された。

 治療開始後4年時の解析において、13%の患者は完全にDrug Free状態にあった。また、7%の患者は一旦、Drug Free後に再度DMARDの投与を受けていた。

 多変量回帰分析の結果、DMARDの再開を予測する因子としては、有症状期間(1.03[1.01-1.05])のみが同定された。なお、有症状期間はDrug Freeを予測する因子でもあった。

 以上より、早期活動性RA患者の中でも、症状発現からの期間が短い患者ではDrug Freeを達成しやすく、かつ維持しやすいことが示唆された。この結果は、“window of opportunity”、すなわち、寛解を導入・維持するための「治療の窓」は、発症からの時間によって小さくなっていくという仮説とも一致し、早期からの適切な治療の重要性を支持している。今後、超早期RAをいかに診断するかがさらに重要となるだろう。