抗TNFα薬は強力な症状改善効果とともに関節破壊進展抑制効果をもち、関節リウマチ(RA)治療に重要な役割を担っている。米国ではインフリキシマブ(IFX)エタネルセプト(ETN)アダリムマブが上市され、個々の患者の病態などによって使い分け、切り替えがなされている。米セントコア社のTang氏らは、抗TNFα薬間の切り替えの実態について検討。米国リウマチ学会・学術集会の臨床研究会で、米国で使用可能な3剤のなかで、IFXは最も切り替え率が低かったことを報告した。

 今回Tang氏らは、米国の6つのRA診療施設の2006年第4四半期の診療記録から、2002〜2004年に抗TNF療法を開始した関節リウマチ(RA)患者496例のデータを抽出。これらの患者における抗TNFα薬間の切り替え状況をレトロスペクティブに検討した。

 最初に処方された抗TNF薬は、IFXが266例(53.6%;IFX群)と最も多く、次いでETNが146例(29.4%;ETN群)、ADAが84例(14.1%;ADA群)であった。ETN群患者の平均年齢(52.6歳)は他の2群(IFX群57.6歳、ADA群57.1歳)より若年であった(p=0.003)が、その他の背景因子に有意な偏りはみられなかった。また、最初の処方からの追跡期間も同等であった(平均614.8日)。

 IFX群において追跡期間内に他の抗TNFα薬への切り替えを行った患者は266例中31例(11.7%)であり、切り替え率はETN群の26.0%(38/146例)、ADA群の21.4%(18/84例)より有意に低率であった(p<0.001)。

 また、有意差を得るには至らなかったものの、IFX群では「効果不十分」を切り替えの理由に挙げた患者が最も少なく(IFX群6.5%、ETN群13.2%、ADA群27.8%)、効果減弱が他の2剤より起こりにくい可能性が示唆された。

 抗TNFα薬の選択や切り替えには「効果不十分」、「安全性」以外に投与間隔などの患者嗜好や医療経済上の選択など様々な理由が考えられるが、IFXは現在の米国において最も切り替え率の低い抗TNFα薬であることが明らかとなった。