極めて死亡率の高い重篤な病態である全身性のリウマトイド血管炎(SRV)に対する有効な治療法はいまだ確立されていないが、いくつかのオープンラベル試験において、抗腫瘍壊死因子(TNF)α療法が有効との報告がなされている。フランス・ルマン総合病院のPué chal氏らは、抗TNFα療法を受けた9例のSRV患者の経過について報告。抗TNFα療法は、SRVの寛解導入に有用との可能性を示した。

 本報告は、同氏らの所属するフランスリウマチ学会のリウマチ・炎症研究会が、70以上の施設に対して調査を行い、抗TNFα薬が2次治療薬として用いられていたことが同定された9例のSRV症例について、その経過をまとめたものである。これらの患者は、ステロイドとシクロフォスファミドに加えて平均1.8回の免疫抑制剤療法を施行したにもかかわらず寛解が得られず、インフリキシマブ(n=7)またはエタネルセプト(n=2)が開始されていた。

 7カ月間(中央値)の抗TNFα療法の結果、これらの患者のうち5例は完全寛解、1例は部分寛解を得た。また、ステロイド投与量は、抗TNFα療法開始前に比べて平均18.3(0〜55)mg/日減少した。

 しかし、1例の患者で寛解導入に至らず、2例は有害事象のために抗TNFα療法を中止された。また、消化器カンジダ症のために一時抗TNFα療法を中断した患者が1例見られた。さらに、追跡1年後までには2例の患者において皮膚病変の再発が認められた。

 以上より、SRVに対する抗TNFα療法は3分の2の患者において寛解をもたらし、寛解導入療法として有用であるとの可能性が示された。しかし、この疾患においては重篤なものを含めた有害事象の発現率もまた高く、慎重に投与すべきであることが示唆された。また、皮膚病変の再発が高率に認められたことから、「維持療法として継続的に使用するには、解決すべき問題が残っているかもしれない」とPué chal氏は述べた。