米国では、インフリキシマブアダリムマブエタネルセプトの3剤の抗腫瘍壊死因子(TNF)α薬が上市されており、個々の患者の病態や事情に合わせて薬剤を随時切り替えるという選択肢が与えられている。米国セントコア社のDabbous氏らは、大規模レジストリー・CORRONA研究のデータに基づき、抗TNFα薬間の切り替えの実態を調査し、上記3剤の中ではインフリキシマブが最も長く使われていることを報告した。

 CORRONA研究は1999年に開始された大規模レジストリーであり、これまでに1万例を超える関節リウマチRA)患者が登録されている。登録患者の診察・治療の記録は、毎回の受診ごとに医師・患者双方から寄せられる。本検討では、その登録者のうち、2002年3月から2006年2月までの間に初めて抗TNFα療法を開始した患者2390例が解析の対象とされた。

 これらのうち、初期治療薬としてインフリキシマブを処方された患者は1100例(46%)であり、その85%(932例)が上記期間内の最終受診時においてもインフリキシマブを処方されていた。一方、アダリムマブもしくはエタネルセプトを最初に処方された患者(1290例)のなかで、最後まで同じ薬剤を使用していた患者の割合は、76%(982例)であった(P<0.0001)。

 また、インフリキシマブで治療を開始した1100例のうち、期間内に他の抗TNFα薬への切り替えを行った患者は78例(7.1%)であった。一方、他の抗TNFα薬で治療を開始した1290例の中でインフリキシマブへの切り替えを行った患者は52例(4.0%)、他の2剤間で切り替えを行った患者は67例(5.2%)であった。最初の処方から切り替えまでの期間は、インフリキシマブで治療を開始した患者の方が、他の2剤で治療を開始した患者より有意に長期であった(722日 vs. 648日;P=0.025)。

 以上より、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプトの3つの抗TNFα薬のうち、インフリキシマブは他の2剤に比して長期間使い続けられる傾向にあることが示された。同様の傾向は、同じく今回のACRで発表された米国ニューヨーク大病院のKrasnokutsky氏らによる医療保険請求データベースに基づく検討でも示されている(関連記事)。情報ソースの別に左右されず同様の傾向が示されたことは、この傾向が現在の米国において普遍的なものであることを示唆するものといえよう。