米国ニューヨーク大病院のSvetlana Krasnokutsky氏らは、医療保険請求データベースのデータに基づき、米国における抗腫瘍壊死因子(TNF)製剤の選択状況および切り替え状況を検討。最も処方が多かった抗TNF製剤はエタネルセプトであったが、他の抗TNF製剤へ切り替えられることが最も少ない薬剤はインフリキシマブであり、切り替えまでの治療継続期間も他の2剤より長期であったことを報告した。

 データソースとなったPhaMetrics社のデータベースは、米国の4000万人以上の健康保険請求と薬剤保険請求のデータを擁する巨大データベースである。Krasnokutsky氏らは、このデータベースを用いて2003年1月1日〜2005年7月1日の期間に、新たに抗TNF療法を開始した関節リウマチRA)患者のデータを検索し、治療開始から最低18カ月間の抗TNF製剤の使用状況を調査した。

 検索の結果、4620例のデータが上記の条件に該当。患者の平均年齢は48.1±12.0歳、うち75%が女性であった。これらの患者に初期治療薬として投与された抗TNF製剤は、エタネルセプト(2404例)、インフリキシマブ(1253例)、アダリムマブ(963例)であった。

 3剤について、平均使用期間を見ると、最も長かったのはインフリキシマブ(462±281日)であり、エタネルセプト(380±263日)やアダリムマブ(374±259日)より長期間継続的に使用されていることが明らかになった。

 さらに、投与開始後18カ月の時点で、インフリキシマブで治療開始した患者の約60%が継続してインフリキシマブを使用しており、エタネルセプトやアダリムマブの継続率(30〜40%)よりも有意に継続率が高かった。一方、他の抗TNF製剤からの切り替えで使用を開始した場合の3剤の継続率については、有意差は認められなかった。

 なお、最初に皮下注製剤を用いていた患者は、切り替えの際にも皮下注製剤を選択する傾向が見られた。

 以上より、現在の米国において最も長期に継続して使われている抗TNF製剤は、インフリキシマブであることが示された。様々な背景を有する不特定多数の患者を対象とした“Real World”での薬剤使用状況を示した今回の知見は、厳密にコントロールされた状況で行われる無作為化臨床試験によって得られる情報とはまた異なる有益な情報となるだろう。