「早期からインフリキシマブ+MTXで積極的に治療することは、症状緩和や関節破壊の進行抑制にとどまらず、疾患の経過そのものを変え得るかもしれない」と語るライデン大のVan Der Kooij氏

 早期関節リウマチRA)に対する新旧4つの治療戦略の効果を比較検討したBeSt試験の推進者の一人であるオランダ・ライデン大のVan Der Kooij氏は、インフリキシマブ初期治療群に割り付けられた患者に対するフォローアップスタディの結果を報告。インフリキシマブにより低疾患活動性を得た後、同薬の休薬を達成した患者の経過は3年後も概して良好であり、そのうち4分の1以上の患者では、抗リウマチ薬(DMARDs)を中止してもなお低疾患活動性を維持していることを明らかにした。

 BeSt試験では、「第4群」(インフリキシマブ3mg/kg+MTX併用で治療開始)に割り付けられた120例のうち、治療開始から2年の時点で67例(56%)が低疾患活動性(DAS≦2.4)を達成し、インフリキシマブからの離脱に至ったことが昨年の本学会で報告されている。残る53例のうち23例はインフリキシマブによる治療を継続(うち10例は1度インフリキシマブを離脱したが、再燃により投与を再開)しており、無効や副作用のため他剤へ変更した症例は30例であった。今回、同氏らは、これらの患者をさらに1年にわたって追跡し、現在の治療状況とDASの変化を調査した。

 その結果、低疾患活動性が維持され、インフリキシマブ休薬に至った“responder”67例では、63例(94%)が3年経過時にも依然として有効性(DAS≦2.4)を保っていた。うち44例はMTX単剤で治療を継続されていたが、17例はDMARDsも離脱しており、薬物療法を行うことなく有効性を維持していた。また、responderの中でインフリキシマブによる治療を再開した患者は4例であった。

 一方、2年経過時点でインフリキシマブ治療を継続していた“partial responder”では、23例中3例が効果不十分のため、SSA治療に変更となった。しかし、別の3例は低疾患活動性が持続しインフリキシマブを休薬することができ、うち1例はDMARDsからも離脱した。したがって、第4群120例の3年時の治療状況は、(1)他剤への変更・脱落35例、(2)インフリキシマブ+MTX併用(=当初の治療を継続)21例、(3)MTX単剤(=インフリキシマブから離脱)46例、(4)完全に薬物治療から離脱18例、となった。

 3年時のシャープスコア(SHS)は、(1)多剤へ変更・脱落群の患者ではベースラインから平均6.5ポイント進行していたが、(2)インフリキシマブ+MTX併用では3.8ポイント、(3)MTX単剤群では2.4ポイントの進行にとどまり、(4)完全離脱群では0.5ポイントの減少(関節破壊の修復)が認められた。

 以上のように、インフリキシマブ+MTXによる初期治療を受けた早期RA患者の3年時のインフリキシマブ離脱率は53%、薬物療法からの離脱率は15%と、2年時とほとんど変わらぬ良好な状態が3年時も維持されていることが示された。しかも、完全な薬物離脱を得た患者では、関節破壊の進行がほぼ完全に抑制されていたことから、Van Der Kooij氏は、「早期からインフリキシマブ+MTXで積極的な治療を開始することは、RAの症状緩和や関節破壊の進行抑制をもたらすにとどまらず、RAという疾患の経過そのものを変え得るのかもしれない」と述べ、その可能性への期待を滲ませた。