「受診頻度を増やして用量をこまめに調節するMTX療法は、通常の治療法よりも治療効果が高い」と語るUtrecht大学のJ.W.J.Bijlsma氏

 早期の関節リウマチ患者に対するメトトレキサート(MTX)療法の効果は、受診頻度を増やし、個々の患者の症状に合わせたきめ細やかな用量管理を行うことで改善されることが分かった。オランダUtrecht大学のJ.W.J.Bijlsma氏らが、コンカレント・アブストラクト・セッションで発表した。

 早期リウマチ患者に対するMTX療法の有効性は既に確立されており、標準的な治療となりつつあるが、今回の結果は、高い治療効果を得るためには、医師による細やかな「さじ加減」が重要なことを改めて示したものといえる。

 Bijlsma氏らは、発症1年以内の早期リウマチ患者を、MTXによる「通常治療群」または「積極治療群」のいずれかに無作為に割り付けて2年間追跡し、寛解の程度や症状の推移を比較した。

 「通常治療群」は3カ月に1回受診させ、前回受診から腫脹関節数が増加していれば、MTXを5mg/週増量した。逆に、6カ月以上にわたって寛解が認められた場合(腫脹関節数がゼロで、以下の3つの条件:圧痛関節数が3個以内/赤血球沈降速度(ESR)が20mm/時以下/主観的疼痛評価(VAS)スコアが20mm以下、のうち2つを満たした場合を寛解と定義)には、MTXを2.5mg/週減量した。

 一方、「積極治療群」は毎月受診させ、前回受診からの腫脹関節数の改善20%未満で、しかも圧痛関節数/赤血球沈降速度(ESR)/VASスコアのうち2つの改善が20%未満だった場合には、MTXを5mg/週増量した。逆に3カ月以上にわたって寛解が認められた場合は、MTXを2.5mg/週減量した。患者の各種パラメーターの把握と管理にはコンピュータプログラムを開発して利用した。

 その結果、寛解が得られた患者の割合は、通常治療群(148例)の39%に対して積極治療群(151例)は51%だった。寛解までの期間はそれぞれ14カ月、11カ月、寛解持続期間は9カ月、11カ月であり、いずれも積極治療群の方が優れていた。

 また、試験期間を通じた各種症状の平均スコアも、朝のこわばりが積極治療群の17に対して通常治療群は23、VASスコアはそれぞれ19、31、ESRはそれぞれ17、22、圧痛関節数は3個、5個、腫脹関節数は3個、5個と、すべて積極治療群の方が有意に優れていた。

 試験中のMTXによる有害事象の発生率は、積極治療群が86%、通常治療群が72%と積極治療群の方が高かったが、その内容に大きな差は見られなかった。ただし、試験期間中の脱落数は積極治療群が57例で、通常治療群の30例よりも多かった。

 Bijlsma氏は、以上の結果から「受診頻度を増やして用量をこまめに調節するMTX療法は、通常の治療法よりも治療効果が高い」と結論。その上で「このようなきめ細やかな対応のためには、日常診療にコンピュータプログラムを活用することが有効だ」とアドバイスした。