「リツキシマブによる関節破壊抑制効果は、症状改善度とは直接関係がない」と指摘するToronto大のE.Keystone氏

 抗CD20モノクローナル抗体製剤リツキシマブによる関節リウマチ患者の関節破壊抑制効果は、ACR20達成率などによって評価した症状改善度とは直接関係せず、症状改善が不十分でも十分な関節破壊抑制効果が認められることが明らかになった。

 薬剤の効果判定に用いられるACR改善率と、関節破壊の進展防止というリウマチ治療の最終的な目標が必ずしも一致しないことを示す結果だ。この結果は、リツキシマブの第3相臨床試験REFLEX (Randomised Evaluation oF Long-term Efficacy of RituXimab in RA)によるもの。カナダToronto大のE.Keystone氏らがコンカレント・アブストラクト・セッションで発表した。


 REFLEX試験では、抗腫瘍壊死因子(TNF)療法が有効でなく、メトトレキサートの投与を受けている活動性関節リウマチ患者517例にリツキシマブ1000mgまたはプラセボを投与し、症状改善や関節破壊に対する効果を比較した。既に、リツキシマブがACR20達成率などからリウマチの症状改善に有効であり、X線所見による関節破壊も抑制できたことが発表されている(関連記事)。

 Keystone氏らは今回、ACR20、EULAR(欧州リウマチ連盟)評価基準などで症状改善が不十分と判定されたリウマチ患者を対象に、リツキシマブによる関節破壊抑制効果を分析した。X線所見による関節破壊の評価にはGenant-Sharpスコアを用いた。

 その結果、第24週時点でACR20に達しなかったリウマチ患者における第56週でのGenant-Sharpスコアのベースラインからの変化は、総合スコアについてはリツキシマブ群(273例)の0.93に対してプラセボ群(184例)は0.39、関節腔狭小化スコアはそれぞれ0.41、0.99、骨びらんスコアはそれぞれ0.59、1.32と、いずれもリツキシマブ群で有意に関節破壊が抑制された。

 さらに、第24週時点でEULAR評価基準が「good/moderate」だった例における第56週でのGenant-Sharp総合スコアの変化は、リツキシマブ群0.92、プラセボ群1.19と有意差がなかったのに対し、「no responce」例ではリツキシマブ群1.35、プラセボ群2.67とリツキシマブ群で関節破壊が有意に抑制され、症状改善度が低い患者の方がむしろ関節破壊抑制効果が顕著だった。

 以上の分析から、Keystone氏は「リツキシマブを投与したリウマチ患者では、症状改善とX線所見との間に何らかの「分離(uncoupling)」が存在することが示唆された」と結論した。全例がメトトレキサート投与を受けていることもあり、このような結果が得られた理由の解明は今後の課題となりそうだ。