「エトリコキシブ投与における心血管イベントの発症は、ジクロフェナクと同程度であることが分かった」と発表するSouthern California大のLoren Laine氏

 変形性関節症関節リウマチの患者3万4701人を対象にしたMEDALプログラムの予備結果で、選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)-2阻害薬エトリコキシブ(Etoricoxib)投与における心血管イベントの発症は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)ジクロフェナクと同程度であることが分かった。米国Southern California大のLoren Laine氏らが発表した。

 選択的COX-2阻害薬を含めNSAIDsの服用は、心血管イベントを増加させることが知られており、エトリコキシブも脳梗塞のリスクを高めることが報告されている(関連記事)。

 MEDAL (Multinational Etoricoxib and Diclofenac Arthritis Long-Term) プログラムは、50歳以上の変形性関節症あるいは関節リウマチの患者を対象に、エトリコキシブ投与下とジクロフェナク投与下における、血栓性心血管イベントの発症を比較した無作為化臨床試験。MEDALプログラムは、EDGE(対象が変形性関節症)、EDGE II(関節リウマチ)、MEDAL(変形性関節症と関節リウマチ)の3つの試験から構成され、46カ国1380施設が参加している。

 今回の分析では、エトリコキシブ群は1万7412人、ジクロフェナク群は1万7289人。両群とも平均年齢は63.2歳、女性が74.2%を占める。糖尿病患者の割合はそれぞれ10.4%と10.7%、高血圧患者は46.6%と47.6%で、脂質異常も29.3%と29.1%で両群間に差はない。

 主要エンドポイントとした血栓性心血管イベントの3年間の発症を比べると、ジクロフェナク群に対するエトリコキシブ群のハザード比は0.95(95%信頼区間 0.81-1.11)だった。個別に見ると、心イベントは年間患者100人当たりエトリコキシブ群では0.71人、ジクロフェナク群は0.78人で、ハザード比は0.90となった。脳血管イベントはそれぞれ0.34人、0.32人で、ハザード比は1.08、末梢血管イベントは0.20人と0.22人でハザード比は0.92と、大きな差は見られなかった。

 さらに胃腸障害はエトリコキシブ群ではジクロフェナク群に比べて有意に発症が少なく、年間患者100人当たり、上部消化管ではそれぞれ0.67人、0.97人、下部消化管では0.32人、0.38人だった。