「プレガバリンが線維筋痛症候群の痛みの緩和に有用であることが分かった」と発表するKentucky大のLeslie J. Crofford氏

 鎮痛補助薬であるプレガバリンが、線維筋痛症候群の痛みの緩和に有用であることが、6カ月間の二重盲検プラセボ対照試験で明らかになった。また投与後およそ40日間効果が続くと、その後も効果は持続する可能性があることも分かった。米国Kentucky大のLeslie J. Crofford氏らがLate-Breakingセッションで発表した。
  
 興奮性神経伝達系を抑制するプレガバリン(Pregabalin)は、糖尿病性末梢神経障害や帯状疱疹後神経痛などの神経因性疼痛,抗てんかん薬として使われている。試験は、線維筋痛症候群と診断された患者1051人を対象に、まずプレガバリンを本人の痛みの程度に合わせて1日当たり300mg、450mg、600mgを6週間投与した。患者の平均年齢は50歳、罹病期間は平均7.8年で、VAS疼痛スコア(0-100)は78だった。

 6週間の投与で、VAS疼痛スコアが50%以上低下し、患者の満足度(Patient Global Impression of Change)の評価が「非常に改善した」患者は663人(63%)だった。続いて、これらの患者のうち566人を対象に、主要エンドポイントを治療効果消失(LTR)までの期間とした26週間の二重盲検試験を行った。治療効果消失は、VAS疼痛スコアが30%未満しか低下しなかった場合、および症状の悪化で他の治療法が必要となった場合と定めた。

 その結果、治療効果消失までの期間はプラセボ群(287人)に比べてプレガバリン群(279人)で有意に長かった。カプラン・マイヤーによる生存関数でみると、6カ月間で治療効果が消失した割合は、プレガバリン群の32%に対しプラセボ群では61%にも上った。

 またプラセボ群の4分の1は投与後7日で治療効果が消失し、プレガバリン群の34日に比べて、症状の悪化が早いことが分かった。いずれの群でも投与後40日以降は消失の割合が一定になっていることから、「もし投与開始から20〜40日間で痛みが軽減したのなら、その効果は持続するだろう」とCrofford氏は述べた。

 有害事象は、軽度から中等度で、最初の6週間投与ではめまい(36%)、傾眠(22%)、頭痛(16%)が報告された。二重盲検試験では、プレガバリン群の有害事象のうち、プラセボ群の発生率より高かったのは、副鼻腔炎(5%)、関節痛および不安感(5%)だった。

 線維筋痛症候群(Fibromyalgia Syndrome)の患者は、米国では人口の2〜5%にも上るとされる。女性に多く、全身の痛みに加え、疲労感や睡眠障害も引き起こし、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどリウマチ性疾患に併発することが多い。治療には筋弛緩薬や非ステロイド性炎症薬(NSAIDs)の使用が研究されているが、米国食品医薬品局(FDA)が承認した治療薬はまだない。