「自己報告による健康状態も骨折リスクのある閉経後女性を鑑別するときに有用」と話すColumbia大医療センターのEthel S. Siris氏

 閉経後女性17万人を対象とした6年間の追跡研究から、骨折の予測因子には、従来からいわれている骨折の既往、低骨密度、加齢に加えて、自己報告による健康状態の「悪い」も有用であることが分かった。

 全米骨粗鬆症研究NORA study(National Osteoporosis Risk Assessment study)による結果で、骨折の発生率は5%だったという。米国Columbia大医療センターのEthel S. Siris氏らがポスターセッションで報告した。

 NORA studyは、50歳以上で、最終月経から半年以上たった女性を対象に、1997年から登録が開始された。骨粗鬆症と診断されたことがなく、骨粗鬆症の治療薬を服用していないことも登録の条件になっている。調査は1年目、3年目、6年目に行われ、今回の発表は6年目の結果をまとめたものだ。

 17万134人について多変量解析を行い、骨粗鬆症性骨折のリスクを求めたところ、骨密度Tスコアが-1.0以上の人を1としたときのハザード比は、-2.5以下では2.32(95%信頼区間2.14-2.52)と高く、-1.0未満-2.49以下では1.63(同1.55-1.72)だった。

 同様に、骨折の既往も2.32(同2.20-2.44)と高かった。年齢では50〜64歳の人に対して、65〜69歳は1.13、70〜74歳は1.32、75〜79歳は1.50で、80歳以上は1.77と、加齢に伴いハザード比も高くなっている。

 健康状態を「とても良い」「良い」「ふつう」「悪い」の4段階で、本人に報告してもらったところ、「とても良い」に対する骨折発生のハザード比は「悪い」が2.02と高く、「ふつう」が1.54、「良い」が1.17だった。

 さらに興味深いのは、白人に対して黒人のハザード比は0.55、アジア人は0.57で、白人に比べてアジア人は骨折を起こしにくいという結果になった。ただし登録者の9割が白人で、アジア人の人数が少ないことから、今後さらに分析が必要だという。

 これらのことから、「骨密度は別にしても、他のリスク因子は容易に入手できるもの」であり、「医療関係者にとって、今回の結果は骨折リスクのある閉経後女性を鑑別するときに有用であろう」とSiris氏は述べた。