早期関節リウマチRA)患者に対するメトトレキサート(MTX)単独と MTX+インフリキシマブ併用の効果を比較したASPIRE試験(2004)では、後者において有意に優れた関節破壊抑制効果が確認されている。同試験を遂行したオーストリア・ウィーン医科大学のJ.S.Smolen氏らは、同試験のデータを試験開始時および治療後のRA活動性別に解析した結果をポスターセッションにおいて発表。インフリキシマブ療法を行った患者は、疾患活動性の有無にかかわらず関節破壊の進行が抑制されており、中等度の活動性が残っている患者ですら、MTX単剤で寛解を達成した患者よりも関節破壊の進行が少なかったと報告した。

 本検討は、発症から3年以内の早期活動性RA患者が対象である。Smolen氏らは、患者の試験開始時および14週時、54週時における疾患活動性をSDAI(simplified disease activity index)で評価し、寛解(≦3.3)、低(<11)、中(11≦, ≦26)、高(26<)の4分位で層別した。なお、試験開始時には全例がSDAIで中等度以上の疾患活動性を有しており、MTX単剤群(n=273)の96.7%、インフリキシマブ併用群(n=706)の95%が高疾患活動性であった。

 治療14週時の評価では、インフリキシマブ併用群の10.7%が寛解、36.8%が低疾患活動性へと改善され、54週時にはさらに、寛解が21.3%、低疾患活動性が56.8%と改善が進んだ。一方MTX単剤群では、14週時における寛解率が2.8%、低疾患活動性への改善が17.4%にとどまり、54週時においても寛解が12.3%、低疾患活動性が41.9%であった。

 54週目の評価において依然、高疾患活動性であったMTX単剤群の患者では、X線上の関節破壊の評価(シャープスコア)においても試験開始時から平均5.8ポイントの進行が認められた。一方、インフリキシマブ併用群では、高疾患活動性の患者であっても平均2.1ポイントの進行が認められるにとどまった。

 さらに、寛解もしくは低疾患活動性への改善が得られたインフリキシマブ併用群の患者では、関節破壊の進行は全く認められなかった(-0.21、-0.31ポイント)のに対し、MTX単剤群の患者は寛解が得られた場合でも1.07ポイントの進行が認められた。これは、インフリキシマブ併用群で中等度の疾患活動性が残存する患者(0.57ポイント)よりも高い値であった。なお、14週時の評価において寛解が得られた症例については、MTX単剤群においても関節破壊の進行は認められなかった。

 以上より、インフリキシマブ+MTXの併用は、試験開始時ならびに治療後の疾患活動性にかかわらず、関節破壊の進行を抑制することが明らかとなった。これに対し、MTX単剤での治療は、早期に寛解が得られた場合以外は、関節破壊の進行を抑制できないことが示唆された。ACRの診療ガイドライン(2002年)でも推奨されているように、治療開始後14週時(約3カ月後)という時期は、MTXを含むDMARD治療の有効性を判断するに適切なタイミングであることが、改めて確認されたといえるだろう。