骨びらん関節裂隙狭小化(JSN)は、シャープスコア(SHS)の構成要素であり、関節リウマチRA)における関節破壊の評価に用いられるが、両者がどのような関係にあるのかは知られていない。オーストリア・ウィーン医科大学のJ.S.Smolen氏らは、早期RA患者を対象としたASPIRE試験における骨びらんおよびJSNデータのpost-hoc解析を実施。骨びらんの悪化はJSNの悪化より約3倍高率に生じること、メトトレキサート(MTX)+インフリキシマブ併用群ではMTX単剤治療群に比して骨びらんおよびJSNの悪化を呈する頻度が低いことをポスターセッションにて報告した。

 ASPIRE試験では、滑膜炎発症後3カ月〜3年の早期RA患者を対象に、MTX単剤治療とMTX+インフリキシマブ併用治療の効果の比較がなされ、後者において有意に優れた症状改善および関節破壊の抑制が得られることが明らかにされている。今回Smolen氏らは、同試験参加者1049例のうち、試験開始時および54週時の手関節の骨びらん・JSN両データを備えた838例と、同じく足関節のデータを備えた839例、延べ2万6068関節(MTX単剤群:7160関節、インフリキシマブ併用群:1万8908関節)のpost-hoc解析を行った。

 その結果、骨びらんあるいはJSNの悪化が認められた関節は、MTX単剤群では骨びらん487関節(6.8%)、JSN 160関節(2.2%)、インフリキシマブ併用群では骨びらん709関節(3.8%)、JSN 249関節(1.3%)であり、いずれもインフリキシマブ併用群で低率であった。

 続いて同氏らは、試験開始時に既に骨びらんが認められた関節、JSNが認められた関節について同様の解析を行った。その結果、骨びらんがある関節ではJSNよりも骨びらんが進行する頻度が高いこと、JSNを有する関節では骨びらんを有する関節よりもJSNが進行する頻度が高いことが示された。

 同じように「早期RA」と括られる病態であっても、その進行パターンは一様ではないことを示した今回の報告は、SHSの「総スコア」だけでなくその内容の違いにも留意し、個々の病態に即した対応を考慮することの重要性を示唆するものといえよう。