関節リウマチRA)に伴う骨粗鬆症は、患者のADLをさらに制限する深刻な問題である。ポスターセッションにおいて、オランダ・ライデン大学のM.Güler-Yüksell氏らが、大きな話題を呼んでいる大規模臨床試験、BeSt試験の参加者の骨密度BMD)変化を解析した結果について報告。関節破壊の進行が骨密度低下の危険因子であることに加え、ビスホスフォネート(BP)は骨密度低下の抑制には有効だが、関節破壊の進行は抑制し得ないことを示した。

 BeSt試験は、早期・活動性RA患者508例を対象に、新旧4つの治療戦略の効果を比較・検討した大規模臨床試験である。主な結果は以前に報告されており、メトトレキサート(MTX)単剤で治療を開始し、必要に応じて増量・変薬あるいは他剤を追加した第1群・第2群より、早期から大量ステロイドやインフリキシマブによる積極的な治療を行った第3群・第4群の方が、症状改善および関節破壊の抑制に優れることが示されている。今回同氏らは、同試験参加者における1年間の治療前後のBMD変化を算出し、多変量多項回帰分析を行って、BMD低下の危険因子の検索を試みた。

 解析例数は342例(うち男性99例)、平均年齢は54歳、罹病期間は23週(中央値)であった。BMDは、腰椎(L2-L4)および大腿骨頸部においてDXA 法(dual energy X-ray absorptiometry)により測定した。患者の10%は腰椎、4%は大腿骨に骨粗鬆症を認めた。第1〜4群の各治療群における治療前後のBMD変化は、腰椎が-0.2%、-1.3%、-1.2%、-0.6%、大腿骨頸部が-1.2%、-1.0%、-0.9%、-0.8%であり、いずれの部位とも各治療群間に有意な差は認められなかった。

 全342例をBMD変化率に基づいて三分位に層別すると、最もBMD低下が大きい第1三分位層は、第2・第3三分位層に比して年齢が高く、閉経後の女性が多いという特徴が見られた。また、試験開始時および試験開始1年後の関節破壊スコア(SHS)、SHSの進行、疾患活動性スコア(DAS)、身体機能障害(HAQ)が高い傾向にあり、BP使用者の比率も有意に高率であった。

 多変量多項回帰分析の結果、BMD変化との間に有意な相関が認められた因子は、大腿骨頸部では試験開始時のSHS、腰椎では1年間のSHSの増加(SHS>SDC)とBPの使用であり、これらがBMD低下に寄与するオッズ比は1.07(95%CI:1.02-1.12)、2.36(同1.07-5.21)、0.21(同0.07-0.70)であった。なお、骨粗鬆症有病者の46%がBPを使用していたが、BP使用者と非使用者間で、関節破壊が進行した患者比率には有意な差は認められなかった(26% vs 23%、P=0.8)。

 以上より、試験開始時における関節破壊および関節破壊の進行は、BMD低下の独立した危険因子であることが明らかとなった。一方で、BMD低下の進行を食い止める効果のあるBPには、関節破壊の進行を抑制する効果はないことも示された。