「MMP-3を使えば、特に治療が必要な患者を絞り込むことができる」と語るAlberta大のWalter P. Maksymowych氏

 軟骨の代謝回転に関わるマトリックスメタロプロテナーゼ-3(MMP-3)が、強直性脊椎炎の予後を予測するバイオマーカーとして使える可能性のあることが、カナダ、オランダ、ベルギー、フランスの4施設の共同研究で明らかになった。カナダAlberta大のWalter P. Maksymowych氏らが発表した。

 強直性脊椎炎は、脊椎など背部の骨や軟骨の破壊を引き起こす慢性炎症性関節炎で、米国の患者数はおよそ50万人とされる。一般的な腰痛と間違いやすく、治療が遅れることも少なくない。MMP-3は、軟骨細胞が分泌する酵素で、コラーゲンや線維間基質を分解し、軟骨の代謝回転に重要な役割を果たしている。

 研究グループは、強直性脊椎炎患者100人の血液試料から、関節リウマチのバイオマーカーであるMMP-3、軟骨オリゴマー基質タンパク質、ヒト軟骨グリコプロテイン39(YKL-40)、C2C、C1、2C、846、CPII、オステオプロテゲリンについて、酵素免疫測定法(ELISA)で分析した。

 併せて、X線写真で病状をmSASSS(modified Stoke Ankylosing Spondylitis Spinal Score:スコアは0〜72)を使って評価し、2年間の経過を調べた。

 その結果、バイオマーカーの中で、YKL-40とMMP-3が2年間の経過と関連が見られ、さらに性別、年齢、罹病期間、CRP値、ベースラインのmSASSSで補正すると、MMP-3のみが有意な関連性を示した(p=0.004)。ロジスティック回帰分析では、MMP3とベースラインのmSASSSが2年後の予後予測因子になることがわかった。

 Maksymowych氏は、「このバイオマーカーを使えば、X線上では障害が顕著でなくても、どのような患者が悪化しやすいのかを知ることができ、関節破壊のハイリスク患者のうち、特に治療が必要な患者を絞り込むことができる」と意義を述べた。