「トシリズマブによる治療法が若年性特発性関節炎の患者にとって重要な治療選択となるだろう」と語る横浜市大教授の横田俊平氏

 多関節型および少関節型若年性特発性関節炎JIA)を対象にした、抗インターロイキン6(IL6)受容体抗体トシリズマブの多施設オープンラベル試験で症状の改善と忍容性が確認されたことを、横浜市大大学院医学研究科発生成育小児医療学教授の横田俊平氏らがポスターセッションで発表した。

 同研究グループでは、全身型若年性特発性関節炎の患者を対象とした無作為化二重盲目試験において、トシリズマブの有効性を確認し、今年の欧州リウマチ学会で報告している(関連記事)。今回は、若年性特発性関節炎の別のタイプである多関節型(17人)と少関節型(2人)における有効性を調べる試験を行った。

 対象者の平均年齢は11.6歳、罹病期間は5.3年だった。体重1kg当たり8mgのトシリズマブを4週間ごとに12週間投与した。試験の期間中は、抗TNF療法や遅効性抗リウマチ薬(DMARDs)、免疫抑制剤などによる併用は行わなかった。

 その結果、12週間でJIAコアセット30%を達成したのは94.7%、50%を達成したのも同じく94.7%で、70%を達成したのは57.9%だった。副作用は軽度の肝臓の酵素値の増加と脂質異常、軽度の上気道感染症だった。また患者の2人が胃腸炎で、1人が感覚障害で入院したが、薬の服用あるいは自然に回復した。

 横田氏は、全身型若年性特発性関節炎を対象とした結果とも併せ、「今後さらに確認が必要だが、トシリズマブによる治療法がJIAの患者にとって重要な治療選択となるだろう」と述べた。