「抗CCP陽性UA患者の“治療の機会”の存在が、臨床試験によるエビデンスとして初めて示された」と語るLeiden大学のH.Dongen氏

 関節リウマチ(RA)の診断基準は満たさないが後にRAを発症することの多い分類不能関節炎(UA)に対するメトトレキサート(MTX)療法の効果は、抗CCP抗体の有無によって大きく異なり、抗CCP陰性例には無効だが抗CCP陽性例ではRAの発症抑制に有効なことが分かった。UA患者110例を対象としたPROMPT試験の結果で、オランダLeiden大学のH.Dongen氏らがプレナリーセッションで発表した。

 UAは、関節炎の症状は見られるが米国リウマチ学会(ACR)のRA診断基準を満たさず、他の関節炎とも診断されない病態を指し、一部は自然寛解するが、多くの例は症状が進行して後にRAと診断される。UAには、かなり初期の段階のRAが含まれており、RAの早期治療の意義が確立する中、その治療方針が注目されている。

 PROMPT試験は、UA患者110例を対象としてMTXとプラセボを比較した多施設での前向き二重盲検試験。MTX投与によってUA患者のRAへの進行を予防できるか否か、MTX投与が有効な患者はどのようなタイプかを明らかにすることが狙いだ。被験者をMTX群またはプラセボ群に無作為に割り付け、MTX群にはMTX 15mg/週を投与し、疾患活動度に応じて30mg/週まで増量した。投与期間は12カ月で、この期間を含めて30カ月にわたり経過を観察した。

 その結果、UA患者全体でのRA発症率は、MTX群の方がプラセボ群よりも有意に低く、X線所見の進行もMTX群の方が有意に遅かった。ところが、抗CCP抗体の有無別にみると、抗CCP陽性例ではMTX群でプラセボ群に比してRA発症が有意に抑制され、1年時点での発症率はそれぞれ約20%、90%超だったのに対し(p=0.0002)、抗CCP陰性例では両群間に差が認められなかった。X線所見の進行についても同様で、抗CCP陽性例ではMTX投与によって進行が遅れたが、陰性例では効果が認められなかった。

 以上の成績から、Dongen氏は「抗CCP陽性のUA患者におけるMTX療法は、RAを発症する患者数を有意に減らし、X線所見の進行を有意に遅らせるが、抗CCP陰性例では効果が見られない」と結論。その上で、抗CCP陽性のUA患者については、RAの早期治療の場合と同様に、ACR基準を満たすRAへの進行を治療介入によって予防したり遅らせたりすることのできる時期である「治療の機会(window of opportunity)」の存在が、臨床試験によるエビデンスとして初めて示されたことを強調した。