「B細胞マーカーやBAFFが、全身症状を伴う原発性シェーグレン症候群の活動性の把握や再発予測に使える可能性がある」と語るBicetre病院のR.Seror氏

 全身症状を伴う原発性シェーグレン症候群患者に対する抗CD20モノクローナル抗体製剤リツキシマブ(RTX)の投与による症状の改善や再発は、リウマトイド因子(RF)などのB細胞マーカーや血中のB細胞活性化因子(BAFF)の推移に反映されることが分かった。フランスBicetre病院のR.Seror氏らが、11月12日のコンカレント・アブストラクト・セッションで発表した。これらのマーカーはこうした患者の病状把握や再発予測に使える可能性がある。

 Seror氏らは既に昨年の本学会で、全身症状を伴う原発性シェーグレン症候群患者にはリツキシマブが有効で、奏功率が80%に上ることを報告している。今回、同氏らは、リツキシマブ投与による全身症状の改善やその後の再発と、B細胞マーカーやBAFFのレベルの推移との関連を調べた。BAFFは、B細胞の分化や生存、増殖に重要な役割を果たしているサイトカインだが、BAFFのシグナルが過剰に入ると関節リウマチ(RA)などの自己免疫疾患を引き起こすことが分かっている。

 調査の対象は、リツキシマブを投与された原発性シェーグレン症候群患者16例で、いずれも全身症状を伴う(リンパ腫5例、他の全身合併症11例)。追跡期間は平均14.5カ月で、リツキシマブ投与から8〜22カ月後に5例で全身症状の再発を認めている(多発滑膜炎2例、リンパ腫1例、皮膚結節1例、クリオグロブリン血症1例)。

 リツキシマブ投与前と比べて、投与2〜4カ月後のリウマトイド因子(RF)、ガンマグロブリン、IgG、β-2ミクログロブリンのB細胞マーカーのレベルは、それぞれ124IU/mL→7.5IU/mL、13.4g/L→9.6g/L、10.8g/L→7.7g/Lおよび3.3mg/L→2.3mg/Lと、全身症状の改善に一致していずれも統計学的に有意に低下した。一方、血清BAFFレベルは、治療前の1.14ng/mlから治療3〜7カ月後には3.51ng/mlに上昇し、その後は8〜9カ月以内に0.87ng/mlに低下した。

 さらに、再発した5例の検討では、すべての患者で再発に伴って血中B細胞の再出現とB細胞マーカーレベルの上昇がみられた。この場合も、リツキシマブ投与で全身症状が治まると共にB細胞マーカーのレベルは低下した。

 Seror氏は「全身症状を伴う原発性シェーグレン症候群の活動性の把握や再発予測に使える有用なマーカーはまだ得られていないが、今回検討したB細胞マーカーやBAFFは、この目的に使える可能性がある。今後、この点を明らかにするための無作為対照試験を実施することが必要だ」と指摘して、講演を締めくくった。