「2025年にはリウマチ専門医が2500人も足りなくなる」との予測を発表するクリーヴランド・クリニック財団のChad Deal氏

 人口の増加や高齢化に伴ってリウマチ医療の需要は高まるとされるが、医師を取り巻く環境が現状のままでは、20年後の2025年には必要とされるリウマチ専門医の数が2500人も足りなくなるとの予測が明らかにされた。米国クリーヴランド・クリニック財団(Cleveland Clinic Foundation)のChad Deal氏らが、ポスターセッションで発表した。

 この調査(2005-2006Workforce Study)は、米国リウマチ学会(ACR)の人材(Workforce)に関する小委員会が協力し、米国バージニア州の医療コンサルティング会社Lewin groupが行ったもの。文献のレビューや国の患者データ、さらに無作為に抽出したリウマチ専門医1683人に対するアンケート調査の結果(回答率は37%)に基づき、2005年を基準に2025年までのリウマチ医療の需要と供給の状況を5年ごとに予測した。

 米国のリウマチ専門医のうち、成人リウマチ医療に携わる医師は2005年時点で4946人、小児リウマチ医療では218人だった。分析では、奨励金を受けて働くポジション(fellowship position)の数は現状と変わらず、1人の医師が診る患者の数も同じと仮定した。さらに2005年を需要と供給が一致しているものと仮定し、その後の人口の増加や高齢化、国内総生産(GDP)の上昇を加味した。その結果、10年後の2015年には必要とされる医師の数は、成人リウマチ医療に携わるとされる医師の数より約1000人多く、20年後には2500人も上回ることが推測された。

 研究グループは、この人材不足を解決するには、奨励金を受けて働くポジションの数を増やすこと、看護師など医療従事者の役割を広げること、さらに医療の効率化を図ることを挙げているが、それには給与の面や質のよい医師の確保などの問題も伴ってくる。このため同委員会では、ACRが今後この需要と供給の不均衡の是正に取り組み、コンピューターモデルを使って解決策の影響度を検討するよう、働きかけていく方針だ。

実際に、この調査に基づいて、ACR会長のMary K. Crow氏は、11日の開会式での講演の中で、リウマチ医療における研究および教育の財源確保のため、米国国立衛生研究所(NIH)や企業などとの連携を積極的に進めていく方針であることを明示している(関連記事)。