「リウマチ医療の研究および教育の財源確保のため、企業などとの連携を積極的に進めていく」と語るACR会長のMary K. Crow氏

 第70回米国リウマチ学会・年次集会「ACR2006」(米国リウマチ医療関係者協会(ARHP)と共催)が、ワシントンDCで11月10〜15日に開催された。11日の開会式では、ACR会長でニューヨーク外科病院(Hospital for Special Surgery, New York)自己免疫・炎症プログラムディレクター(Autoimmunity and Inflammation Program)のMary K. Crow氏が、会長講演を行った。Crow氏はその中で米国のリウマチ医療における研究および教育の財源が不足している現状を述べた上で、財源確保のため、米国国立衛生研究所(NIH)や企業などとの連携を積極的に進めていく方針であることを明示した。

 2005年のリウマチ医を対象にした労働力(workforce)調査によれば、米国のリウマチ専門医の数は既に需要に満たず、今後、人口が増加し高齢化も進むにつれ、さらにその傾向は強まることが示された。それに対応するには、若手医師の数を増やし、看護婦など医療関係者の活用、医療の効率化を促すなどの対応が迫られているが、「近年、リウマチ医の数の増加は極めて少ない状況だ」とCrow氏は指摘した。

 その背景にあるのは、リウマチ医になった場合の待遇に問題があるという。たとえば研究に携わる医師は臨床に当たる医師に比べ給与が低く、在職が保証されていないことが多い。またNIHの財源の削減により助成金は減少し、研究機関では若手を育成するための財源も限られている。

 このため、ACRでは、財源を確保するため、NIHや財団、企業などのパートナーシップを積極的に進め、併せて、リウマチ研究者にとってできるだけ最良の企業の研究者と連携していくと強調した。そして「臨床医、研究者、教育者、それぞれの立場にあるリウマチ医同士の連携を密にし、研究施設や医療施設の拡充などインフラの整備より、まず人材育成に力を注いでいく」とCrow氏は締めくくった。講演が終わると、マンパワー不足で悩むリウマチ医療の現場で働く医師や医療関係者は総立ちとなり、Crow氏に大きな拍手を送っていた。

《Mary K. Crow氏の関連サイト》
http://www.hss.edu/Departments/Specialties/Rheumatology/Research/
http://www.hss.edu/research/profiles/crow-mary