心血管危険因子には性差の問題が常に付きまとうが、病的肥満においては男女間で差が認められないことが分かった。ローマ・カトリック大のLuigi M. Biasucci氏(写真)らが4月1日、第57回米国心臓学会で発表した。

 対象は、糖尿病ではなく明らかな心疾患もない71人の健常人。体格指数(BMI)に基づいて、BMIが40以上の病的肥満のグループ(23人、女性13人、男性10人)とBMIが20〜39.9までグループ(48人、女性23人、男性25人)に分けて検討した。対象者全員の既往歴、身体計測データを記録し、血管内超音波検査によって内膜中膜厚を測定し、肥満の重要指標であるレプチンの値なども検査した。

 解析の結果、BMI20〜39.9グループでは、レプチン値、頸動脈プラーク、高血圧などの心血管危険因子は、女性の方が男性より有意に低かった。逆に、HDL値やエストロン値などは、女性の方が有意に高かった。

 ところが、病的肥満のグループでは、こうした性差は見出せなかった。

 Biasucci氏らはこの研究に基づき、性差に基づいて危険因子を区別することの重要性に変わりはないとしつつ、病的肥満である場合とそうでない場合では性差の有無に違いがあることを理解して対応すべきなどと考察した。