心調律デバイスでみた心房性頻脈(AT)/心房細動(AF)負荷で、血栓塞栓症イベントリスクを階層化できることを示唆する結果が、TRENDS試験より出された。米ニュージャージー医科歯科大学のTaya V. Glotzer氏(写真)らが4月1日、第57回米国心臓学会で発表した。

 持続性の心房細動(AF)は脳卒中と関連があるが、デバイスで検出されるAFの軽い発現も脳卒中リスクを増加させるかどうかは分かっていない。TRENDSは前向きの観察研究で、デバイス検出AFと血栓塞栓症イベント(TE)間の関係を評価するため実施された。

 患者選定基準は、心房性頻脈(AT)/AF負荷がモニターできる心調律デバイスの埋め込みをしていることと、脳卒中リスク因子(心不全、高血圧、65歳以上、糖尿病、あるいは脳卒中の既往)が1つ以上あること。

 デバイスのデータは3カ月ごとに回収され、血栓症治療は主治医によって行われた。AT/AF負荷とは、最初のTE前あるいはフォローアップ終了前の30日区間中のある1日のAT/AF最長合計持続時間(h)と定義した。このような30日区間全部において、AT/AFがゼロでないものの中間値は1日当たり5.5時間であった。これをもとに、時間よって負荷レベルを設定、対象をゼロ負荷、低負荷(5.5時間以下)、高負荷(5.5時間以上)の3グループに分けた。

 116施設で3045人の患者を登録、そのうち2813人が選定基準を満たし、2486人でデバイスデータの分析が可能であった。ベースライン時、平均年齢は71歳、平均CHADS2リスクスコアは2.2、21%がワルファリン、62%がアスピリンを服用していた。平均フォローアップ期間1.4年の間、12%が高負荷、12%が低負荷、76%がゼロ負荷だった。

 観察期間を通じて、40例の血栓塞栓症イベントがあった。ゼロ負荷群のTE率は1年当たり1.1%、AT/AF負荷群では1.7%(高負荷群で2.4%/年、低負荷群で1.1%/年)であった。多変量解析によると、ゼロ負荷群に比べたハザード比(95%信頼区間)は、低負荷群が0.98(0.34-2.82、p=0.97)、高負荷群が2.20(0.96-5.05、p=0.07)であった。

 こ研究において、脳卒中の割合は、類似リスク因子を持つ患者を対象にした先行AF研究よりも低かった。今回の結果からGlotzer氏らは、「デバイス検出AT/AF負荷5.5時間以上」は既知のリスク因子や血栓症治療に関係なく、血栓塞栓症イベントのリスクが2倍であることを示唆するもの、と結論した。