ロスバスタチン治療によりLDL-Cを70mg/dL以下にすることにより、HDL-Cが増加、径狭窄率を減少させ、最小血管内径(MLD)を改善することが確認された。ASTEROID試験の結果によるもので、Baylor College of Medicine およびThe Methodist DeBakey Heart & Vascular CenterのChristie M. Ballantyne氏(写真)らが3月31日、第57回米国心臓学会で発表した。

 これまでの試験では定量的冠動脈造影(QCA)を用い、スタチン治療によりLDL-Cの平均濃度に比例して冠動脈狭窄の進展抑制効果が示されたが、血管造影的に疾患の進行停止あるいは退縮まで観察されたスタチン単独治療の試験はなかった。  

 ASTEROID(A Study to Evaluate the Effect of Rosuvastatin on Intravascular Ultrasound-Derived Coronary Atheroma Burden)試験では、血管内エコー(IVUS、主要エンドポイント)およびQCA(2次エンドポイント)を用いて、ロスバスタチンが冠動脈アテローム動脈硬化を退縮させることができるかを観察した。これまでの報告では、IVUSにより、血管造影で正常または狭窄50%以下の主要冠動脈のアテローム体積退縮が観察されている。QCAは、ベースライン時25%以上100%未満の病変を示す冠動脈および径1mm以上の枝の10セグメントの血管内に施した。

 本試験は、血管造影にて冠動脈疾患の認められる507人の男女に実施された。コレステロールレベルの制約はなかった。患者は24カ月間40/日のロスバスタチンの投与を受けた。ベースライン時と24カ月後の終了時に血管造影を行い、少なくとも2枚の直交図を得、それをデジタル化し核試験室であるCleveland Clinic Foundationで盲検を実施した。最小血管内径(MLD)と径狭窄率をそれぞれのセグメントで測定した。患者ごとに、ベースライン時とエンドポイントで対応する病変について計算を行った。

 292人の患者で、613カ所の狭窄がベースライン時とエンドポイントで対応して観察された。ロスバスタチンは、LDL-Cを51.9%、平均61.1mg/dLまで低下させた。HDL-Cは14.4%、42.8mg/dLから増加した。LDL-C/HDL-C比は57.1%、1.33まで減少した。MLDは、1.65±0.36mm(平均±標準偏差、中間値1.62mm)から、1.68±0.38mm(同1.67mm、 p<0.001)まで増加した。径狭窄率は37.3±8.4%(平均±標準偏差、中間値35.7%、26-73%)から、36.0±10.0%(34.5%、8-74%、p<0.001)まで減少した。MLDは、55.2%の患者で増加した。6.0%の患者でのみ0.2mm以上の進行がみられた。

 「本試験ではQCAにより個別の大動脈狭窄を観察できたことから、ASTEROID試験の評価を広げることができた」とBallantyne氏。「今回の2つのイメージング方法は、スタチン治療を用いたアテローム性動脈硬化の退縮、安定化と一致した血管造影法での血管内径測定、IVUSによるアテローム体積測定という改善をもたらした」と考察した。

 平均LDL-C濃度を70mg/dL以下にする24カ月間のロスバスタチン治療は、HDL-C濃度を顕著に増加させ、MLDを改善し、径狭窄率を減少させることにより冠動脈硬化を退縮させると結論した。