インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾンスルフォニル尿素剤(SU剤)のグリメピリドで、冠動脈における動脈硬化の進展抑制効果を比較検討した臨床試験、PERISCOPEの成果が報告された。ピオグリタゾンの方で冠動脈プラーク体積の変化率が有意に小さく、冠動脈の動脈硬化進展を抑制する効果が高いことが明らかになった。米Cleveland ClinicのSteven E. Nissen氏(写真)らが3月31日、第57回米国心臓学会で発表した。

 PERISCOPE(Pioglitazone Effect on Regression of Intravascular Sonographic Coronary Obstruction Prospective Evaluation)は、543人の2型糖尿病患者を対象に、米国やカナダなど97施設で実施された無作為二重盲検比較試験。冠動脈における動脈硬化の進展抑制効果を、血管内超音波法(IVUS:intravascular ultrasound)を用いて評価した。

 主要評価項目は、冠動脈プラーク体積の変化率。変化率が小さければ、それだけ動脈硬化の進展抑制効果が高いことになる。

 解析の結果、グリメピリド群(n=181)ではベースラインからの変化率が0.73%(p<0.001)だったのに対し、ピオグリタゾン群(n=179)では−0.16%(p=0.44)だった。両群の変化率には、有意差があった(p=0.002)。この結果は、ピオグリタゾンの方がグリメピリドよりも、動脈硬化の進展を抑制する効果が高いことを示していた。

 2次エンドポイントとした冠動脈プラークの厚さ(mm)は、グリメピリド群が0.011mm増加し、一方のピオグリタゾン群は0.011mm減少した(両群間に有意差、p=0.006)。また、体積(mm3)は、グリメピリド群が1.5mm3、ピオグリタゾン群が5.53とそれぞれ減少した(両群間ではp=0.06)。

 安全面については、心血管イベントの発現頻度やうっ血性心不全による入院件数では、両群に有意差は認められなかった。

 しかし、低血糖がグリメピリド群で37.0%、ピオグリタゾン群で15.2%に、狭心症がグリメピリド群で12.1%、ピオグリタゾン群で7.0%に見られ、それぞれグリメピリド群の方が有意に高かった(p<0.001、p=0.05)。一方、浮腫がグリメピリド群で11.0%、ピオグリタゾン群で17.8%、骨折の頻度がグリメピリド群で0%、ピオグリタゾン群で3.0%、体重の変化がグリメピリド群で+1.6kg、ピオグリタゾン群で+3.6kgとなり、それぞれピオグリタゾン群で高かった(p=0.02、p=0.004、p<0.001)。